本物のプロをめざすならば
2010年 7月 20日 | カテゴリー: 一般記事
翻訳・通訳をさらに勉強するにはどうすればいいか、と聞かれた時、モントレー国際大学(MIIS)を勧めたことがあります。しかしながら、MIISの評判は聞いていたものの、これまで直に接することはありませんでした。6月20日(日)に東京で開催されたMIISの日本語プログラム設立25周年記念シンポジウム等に参加させていただき、MIISのプログラム内容について、また、学生が実際にどのような訓練を受けているかについて知ることができました。
そういうわけで、今は、自信を持ってMIISをお勧めすることができます。
最も印象的だったのは、関係者、特に学生の熱意でした。当日のプレゼンテーションは、主に日本語で行なわれました。その際は、日本人はもちろん、外国人の参加者もその内容を理解しているようでした。逆に、英語でのプレゼンテーションの際には、英語のリスニングが不得意な日本人の参加者がいたようでした。そこで主催者がその一人ひとりを確認した後、数人の学生がそれぞれのそばに行き、臨機応変に同時通訳しました。私はその心配りに、強い感銘を受けました。
MIISには、あらゆる機会をとらえながら、常に練習しスキルアップするという文化が根付いているようです。学生は「スタディー・パートナー」を持ち、お互いに支援し合います。特に通訳の際に自然に敬語が使えるように、日常会話で敬語を使うように訓練しているそうです。
またMIISはあくまでも現場志向で、市場の変化への適応を重視しています。MIIS教授でJAT会員のタニヤ・パウンド先生は、その方針について具体例を挙げながらとても面白く語ってくれました。昔の学生は、翻訳試験を鉛筆で書いていたそうです。辞書は、学生たちが座っている席の前の舞台の上に置いてありました。わからない単語があると、学生は舞台まで上っていって、その意味を辞書で調べてから、走りながら席へ戻り、翻訳をし続けたそうです。でも、今はもちろん、試験中はパソコンを使って、インターネットや電子辞書も使えるようになりました。
ところで、MIISはコンピューター利用翻訳(CAT)のツールの講座を提供しています。この技術の限界を理解しながら、CATツールを生かすように勧めているそうです。
今の厳しい経済環境下で、翻訳業界は多くの課題を抱えています。その中でも翻訳者として成功するためには、パウンド先生によると次の3つの秘訣があります。
* 最高の質を提供すること
* 特定分野に関する専門知識を培うこと
* 誠実にビジネスをこなすこと
単純明確です。
というわけで、大学に戻りたいと思われる方、是非MIISのウェブサイトをご覧ください (http://www.miis.edu/)。また、大学に戻らなくても、最高の質、分野ごとの知識、ビジネス習慣等について勉強したいと思われる方、是非JATウェブサイトをご覧になって、今後のイベントにもご参加ください。(http://jat.org です。)
JATも自己研鑽のための機会を提供しています。たとえば9月11日(土)に東京で開催されるプロジェクト東京2010です。詳しくは、こちらをご参照下さい:http://project.jat.org/
理事長
岩田ヘレン




