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河野裕子歌集『体力』にみる詩歌の翻訳 ―英語短歌の定型とダッシュ― 結 城 文 翻訳と一口にいっても散文の翻訳と詩歌の翻訳とでは、その様相も求められるものも異なることは論を待たないことです。詩歌は言葉の華とも音楽ともいうべきもので、意味内容のみならず韻文としてのリズムや調べの美しさが、翻訳というフィルターを通った後までも伝えられなりません。 一昨年のIJET-13で、私達は日本の詩歌のなかでも最も長い歴史をもつ伝統詩、短歌の翻 訳について語りました。その際河野裕子の第七歌集『体力』をもとに発表をおこないましたが、今回も引き続いて同歌集について前回取り上げられなかった諸問題及び英語短歌の 現状にも触れながら、短歌の翻訳についての考察を試みたいと思います。 短歌の英訳について主として二つの流れがあります。1970年代の後半に日本在住のローレ...

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