英日部門の受賞者ならびにファイナリストの方々の訳文です。 

課題文(Cross-Regional Statement on “Infodemic” in the Context of COVID-19)は こちら


ファイナリスト
 J33  Watanabe Miki
 J35  Nemoto Ken
 J49  早野文菜 
 J121 Tokuhisa Naomi
第2位 
 J32 柳川春日
第1位
 J81  相馬裕紀子

J33 Watanabe Miki

「COVID-19の状況下における『インフォデミック』にまつわる広範囲に及ぶ声明」

COVID-19ウイルス(新型コロナウイルス)のアウトブレイク(集団発生)、そしてパンデミック(世界的大流行)の宣言以来、国連事務総長をはじめ、その他の国連シニアリーダー、国連組織は、「インフォデミック」、つまり誤情報や故意に流される偽情報のパンデミックの課題に対し、より一層、注視の姿勢を強めてきた。国連事務総長は、「COVID-19の蔓延とともに、誤情報、憎悪、責任転嫁、不安を扇動する情報拡散の津波が堰を切って押し寄せた」と述べた。
COVID-19による健康危機の時代における、「インフォデミック」の蔓延は、人類の健康、安全保障にとってパンデミックそのものと同等の危険となり得る。もたらされたその他の悪影響の中でも特に、COVID-19は偽情報やフェイクニュース、不正に加工された動画の拡散が、暴力を醸成し、地域社会を分断できる状況をつくり出した。国家は誤情報について、紛争や暴力、人権侵害、大量の残虐行為のリスクを高め得る、パンデミックの二次被害の有害因子と捉え、対抗していくことが緊要である。
こうした理由から、我々はすべての人へ直ちに誤情報の拡散をやめ、この問題に立ち向かうために、COVID-19に関連したヘイトスピーチへの対処と対抗に関する国連ガイダンスノート(2020年5月11日発行)を含む国連からの勧告を遵守することを要請する。
COVID-19の危機が証明したのは、自由で信頼性、信用性があり、事実に沿い、多言語で、目標を絞った、正確かつ明確な科学に基づく情報の入手と、準備や構え、対応に際し、すべてのステークホルダー、影響下にある地域社会の参加と対話を確保することの重大な必要性だ。加えて自由で独立した、責任ある多元的なメディアが、透明性や説明責任、信頼の向上において果たす重要な役割についても改めて確認された。この役割は、COVID-19の拡大を抑制するべく、集団の努力で、一般市民への適切なサポートならびに一般市民による適切なコンプライアンスを達成するために肝要だ。この目標への到達に寄与できるのは、国家間の団結と親善を基盤とした、よりよい国際協力である。
国家、地域組織、国連システムをはじめ、メディアで働く人々、ソーシャルメディア・プラットフォーム、NGOなどその他のステークホルダーには、「インフォデミック」に対応する人々を支援するための明確な役割と責任がある。これに関連して、我々は国連コミュニケーション・レスポンス・イニシアチブならびに2020年4月14日に国連事務総長より発表された「Verified(ベリファイド)」キャンペーンに強力な支持を表明する。
我々も含む多くの国々、WHOやUNESCOをはじめとする国際組織は、偽情報に対する社会的レジリエンスの強化に向け尽力してきた。これにより、「インフォデミック」とCOVID-19パンデミックの両方について、対応し理解を深めるための準備態勢が全体として強化された。
我々が加えて憂慮しているのは、パンデミックに関連した虚偽もしくは操作された情報の故意の作成や蔓延がもたらす被害である。各国にはそうした偽情報の拡散に対し、客観的な姿勢で、市民の表現の自由や社会秩序、安全を尊重した対抗措置をとることを要請する。人々が信用性のあるソースから正確な情報を得て、COVID-19に関連する偽情報に惑わされぬよう保証する重要性を、ここに改めて明言する。
これらの努力の基盤となるのは、とりわけ、表現の自由、報道の自由ならびに報道の最高の倫理と基準の促進、ジャーナリストやその他メディアで働く人々の保護、さらに、情報・メディアリテラシーの推進、科学や事実、独立メディア、国家、国際組織に対する公共の信頼の増進である。また、この他にも、これらの努力をより強固なものとするため、独立した専門知識や勧告を加盟国や民間の関係者へ提供するイニシアチブが開始されている。
事務総長の言葉にある「より健康で平等、かつ公正でレジリエントな世界」をつくるべく、「インフォデミック」に立ち向かうため、我々はすべての加盟国、ステークホルダーによる行動を要請する。
我々は、科学や証拠に基づく情報、事実によって「インフォデミック」に対抗する健全な情報環境を、国や地域、世界規模でつくるため継続して尽力する。これにより、次の「インフォデミック」への対応に際しても、よりよい備えで臨むことができるだろう。
出典:https://usun.usmission.gov/cross-regional-statement-on-infodemic-in-the-context-of-covid-19/

J35  Nemoto Ken

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関連した「インフォデミック」に関する地域連携共同声明

COVID-19の大規模な流行とパンデミック宣言以来、国連事務総長ならびに国連及び関連機関の幹部は、「インフォデミック」、即ち、誤情報とデマのパンデミックという課題に、より着目してきた。国連事務総長の言葉を借りれば、「COVID-19の拡大とともに、誤情報、ヘイト、責任転嫁、不安を煽る行為が津波のように押し寄せてきた」。
COVID-19による健康危機に於いて、「インフォデミック」の拡大は、人類の健康と安全にとってパンデミックに劣らず危険なものとなりうる。COVID-19は、負の影響の中でもとりわけ、デマやフェイクニュース、改竄映像が暴力を助長し、地域社会を分断する状況を作り出した。パンデミックの二次的影響として、対立、暴力、人権侵害、更には民間人への大規模な残虐行為のリスクが高まりかねず、これを助長する誤情報に世界の国々が対抗することは、極めて重要である。
こうした理由から、我々はあらゆる人々に対し、直ちに誤情報の流布を止めること、及びこの問題に取り組むため国連勧告の順守を求める。これには、2020年5月11日付の、COVID-19関連のヘイトスピーチへの対処及び対策に関する国連ガイダンス・ノート(The United Nations Guidance Note on Addressing and Countering COVID-19 related Hate Speech)の順守も含まれる。
COVID-19危機によって必要性が決定的に実証されたのは、自由で信頼でき、事実に基づき多言語で提供され、受け手を絞り正確かつ明確で科学的根拠のある情報へのアクセスであり、更には、準備して臨み対応するにあたって、全ステークホルダー(利害関係者)と影響を受けた地域社会が、確実に対話し参画することである。また、総力を挙げたウイルス拡大抑制の取り組みによって一般市民が十分なサポートを受け、コンプライアンスに対応するには、透明性、説明責任及び信頼の向上が不可欠だが、それには自由で独立性を保ち、信頼の置ける多元的メディアが重要な役割を担うことも確認された。国家間の結束と友好に基づき国際協力が進むことは、この目標の達成に寄与する。
世界の国々、地域の諸機関、国連システムのほか、メディア関係者、ソーシャルメディアプラットフォーム提供者、NGOなどのステークホルダーには、人々がこの「インフォデミック」に対処するのを支援する明確な役割と責任がある。この点に於いて、我々は2020年4月14日に国連事務総長が発表した、国連の情報発信面の対応の取り組み及び「ベリファイド(Verified)」活動(信頼できる正確な情報を増やし普及させることにより、COVID-19に関わるデマの蔓延と闘うための取り組み)を、強く支持する。
我々を含む多くの国々、及び世界保健機関(WHO)や国際連合教育科学文化機関(UNESCO)などの国際機関は、デマに負けない社会作りに取り組んできた。その結果、「インフォデミック」とCOVID-19パンデミックの双方に対処し、知見を深める準備は総合的に進んだ。
我々はまた、COVID-19パンデミックに関する虚偽または操作された情報を、意図的に作り流布することで生じた被害についても憂慮する。我々は世界の国々に対し、客観的な方法、かつ市民の表現の自由のほか社会の秩序と安全にも配慮した形で、そうしたデマの蔓延への対策を講じることを求める。我々は、人々が信頼できる情報源から正確な情報の提供を受け、COVID-19に関わるデマによって判断を誤らないようにすることの重要性を再確認する。
こうした取り組みを支えるのは、とりわけ、表現の自由、報道の自由、報道の最高水準の倫理と基準、及びジャーナリスト等メディア従事者の保護であり、更には情報リテラシーとメディアリテラシーの推進、科学への人々の信頼、事実、独立系メディア、国家機関及び国際機関である。これらの取り組みを強化するため、加盟国及び民間からの参加者に対し、第三者の専門知識と助言を提供する様々な施策が開始されている。
我々は、事務総長の言う「より健全で、より公平、公正、かつ復元力に富む世界」の構築に向けて「インフォデミック」と闘うために、全加盟国及び全ステークホルダーによる行動を要請する。
我々は、国、地域及びグローバルそれぞれのレベルに於いて、健全な情報環境の創出に引き続き全力で取り組み、科学的かつ根拠ある情報と事実を以って「インフォデミック」に対抗する。これは、次なる「インフォデミック」に対処する準備の強化に繋がるものと考える。

J49  早野文菜

新型コロナウイルス感染症をめぐる「インフォデミック」に関する地域横断的声明

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因となるウイルスのアウトブレイク及びパンデミック宣言以降、国連事務総長をはじめとする国連及び国連諸機関幹部は、「インフォデミック」[1]すなわち誤報及び偽情報のパンデミックという問題への注意喚起を一層強めている。国連事務総長の言葉を引用すれば、「COVID-19の広がりとともに、津波のような誤情報、憎悪、罪のなすりつけ及び流言飛語があふれ出している」のである。
COVID-19による健康危機の時代において、「インフォデミック」の蔓延は、人々の健康及び安全保障に対し、パンデミックそのものと同じように危険なものとなる。COVID-19がもたらした様々な悪影響の中でも、偽情報、フェイクニュース及び不正に加工された動画の拡散によって、暴力が煽られコミュニティが分断される状況がつくり出されている。パンデミックの二次的影響は、対立、暴力、人権侵害及び大虐殺のリスクを高めるものであるが、各国が誤情報をその有害な原因として排除することが非常に重要である。
上述の理由から、我々は、すべての人々に対し、ただちに誤情報の拡散をやめ、COVID-19に関するヘイトスピーチ対策への国連ガイダンス・ノート(2020年5月11日)等、この問題に取り組むための国連勧告を順守することを求める。
COVID-19危機においては、準備し態勢を整え対応を行う中で、すべての関係者及び影響を受けるコミュニティの対話と参画を徹底することだけでなく、自由で、確実で、信頼でき、事実に基づき、多言語で発信され、目的に合った、正確で、わかりやすく、科学に裏付けられた情報を利用できることが極めて必要であるとはっきり示された。また、自由で、独立し、責任ある多元的なメディアが、透明性、説明責任及び信頼を強化する上で重要な役割を持つことが裏付けられた。ウイルス拡散を抑制するための総力を挙げての取り組みが十分に支持を集め、一般の人々によって順守されるためにも、この強化は必要不可欠である。より良い国際協力は、各国間の連帯と親善に基づくものであり、これら目指すところの達成に貢献するであろう。
国、地域機関、国連機関及びメディア関係者、ソーシャルメディアプラットフォーム並びにNGOといったその他関係者は、人々が「インフォデミック」を乗り越えるのを助ける上で明確な役割と責任を有している。この点に関して、我々は、2020年4月14日に国連事務総長が発表した[3]国連による新たな情報発信面での対応への取り組み及び「Verified(ベリファイド/検証済み)」[2]キャンペーンを強く支持する。
我々の国を含む多くの国及びWHO並びにUNESCO[4]といった国際機関は、偽情報を社会全体で克服する力の向上に努めており、これによって「インフォデミック」とCOVID-19パンデミックの両方に対処し、よりよく理解するための全体的な備えが改善してきた。
我々は、パンデミックに関する誤った又は操作された情報が、意図的につくり出され拡散されることによって起きる被害についても懸念している。我々は、客観的な方法でかつ公共の秩序と安全だけでなく人々の表現の自由を十分に尊重した上で、このような偽情報の拡散への対抗措置を講じることを各国に求める。我々は、信頼できる情報源から正確な情報が人々に伝えられること及び人々がCOVID-19に関する偽情報に惑わされないよう徹底することの重要性を改めて主張する。
こうした取り組みは、とりわけ、表現の自由、報道の自由の一方で報道機関における最高の倫理と水準を奨励すること、ジャーナリスト及びその他メディア関係者を保護することと共に、情報及びメディアリテラシーすなわち科学、事実、独立したメディア、国及び国際機関に対する人々の信頼を促進することを基盤としている。こうした取り組みを強化するために、公正な助言と勧告を国及び民間機関に提供する様々なイニチアチブが始動している。
我々は、「インフォデミック」に打ち勝ち、国連事務総長の言葉を借りて言えば「より健やかで、公平・正当で、そしてより強靭な世界」を築き上げるべく、全国連加盟国及びすべての関係者に行動を求める。
我々は、科学的で根拠に基づく情報と事実によって「インフォデミック」が阻止される健全な情報環境を国、地域及び世界レベルで創出するために、尽力を続ける。そうすることで、我々は、次の「インフォデミック」との戦いに向けて、より良い備えができるであろう。
出典:https://usun.usmission.gov/cross-regional-statement-on-infodemic-in-the-context-of-covid-19/

J121 Tokuhisa Naomi

COVID-19を背景とする「インフォデミック」の地域間共通声明

新型コロナウイルス(COVID-19)の発生とパンデミックの宣言以来、国連事務総長と国連およびその機関の他の最高幹部たちは「インフォデミック」[1]、すなわち誤情報と偽情報のパンデミックの課題にますます注意を傾けている。国連事務総長の言葉を引用すると「COVID-19が蔓延するにつれて、誤情報、憎悪、スケープゴート、デマが津波のごとく押し寄せている」。
COVID-19によって健康が危ぶまれると、「インフォデミック」の拡大はパンデミックそのものと同じくらい人々の健康と安全にとって危険なものになりうる。とりわけそのマイナスの影響の中でも、COVID-19は暴力をあおってコミュニティを分断する偽情報、フェイクニュース、合成動画の拡散を可能にする状況を作り出している。誤情報はパンデミックが引き起こす二次影響の有毒な牽引力として、紛争、暴力、人権侵害、大規模な残虐行為のリスクを高めるものであり、国家として立ち向かうことが重要だ。
これらの理由から、すべての人々が直ちに誤情報の拡散をやめ、この問題に取り組むために、COVID-19に関連するヘイトスピーチへの対処と対抗に関する国連ガイダンスノート(2020年5月11日)を含む国連の勧告を遵守することが求められる。
COVID-19危機は、自主的で、頼りになって、信頼でき、事実に基づき、多言語で、対象を定めた、正確で明確な、科学的根拠のある情報にアクセスする必要の重大さを実証している。同様に準備・用意から対応までの間ですべての利害関係者と影響を受けるコミュニティが対話をし、関与することを保証する必要性も実証している。また、COVID-19危機によって、自由で独立性を保ち責任ある多元的なメディアが透明性、説明責任、信頼性を高めるために重要な役割を果たすことも裏付けられた。ウイルス拡散を抑制するために一丸となり、一般の人々が適切なサポートを受けて法令遵守を実現できるようにするためメディアの果たす役割は必要不可欠だ。国家間の団結と友好に基づくよりよい国際協力がこの目標の達成に貢献することができる。
国、地方組織、国連システム、メディア勤務者・ソーシャルメディア事業体・NGOなどその他の利害関係者は、人々が「インフォデミック」に対処できるよう手助けをする明確な役割と責任がある。この点については、国連通信反応イニシアチブと、2020年4月14日に国連事務総長が発表した「検証済み」[2]運動を強く支持する[3]。
我が国を含む多くの国々が、そしてWHOやユネスコ[4]のような国際機関が、偽情報に対抗する社会の弾力性向上を目指して努力している。その取り組みが「インフォデミック」とCOVID-19パンデミックの双方に対処し、より良く理解するための全般的な準備を強化している。
パンデミックに関する虚偽・操作情報の捏造や流布が引き起こす被害も懸念されている。客観的な方法で、社会秩序や安全と同様に市民の表現の自由を十分に尊重して、このような偽情報の拡散に対抗するための対策を講じることが各国に要求される。人々が信頼のおける情報源から正確な情報を得て、COVID-19に関する偽情報に惑わされないように保証することが重要だと改めて断言する。
これらの努力はとりわけ、表現の自由、報道の自由、高い倫理観と報道基準の促進、ジャーナリストと他のメディア勤務者の保護に基づく。同様に情報とメディアリテラシーの促進、科学・事実・独立したメディア・国家・国際機関に対する大衆の信頼にも基づいている。これらの努力を後押しし、国や民間団体に独立した見解と提案を提供するためにさまざまな取り組みが始まっている。
「インフォデミック」と闘い、事務総長の言葉を引用すると「健全で、より公平で、公正で弾力性のある世界」を構築するために、全加盟国とすべての利害関係者に行動が求められている。
国、地域、世界レベルで健全な情報環境の構築に専念し続け、その中で科学的根拠に基づく情報と事実によって「インフォデミック」に対抗する。そうすることで次の「インフォデミック」への対処にさらに備えることができる。
出典:https://usun.usmission.gov/cross-regional-statement-on-infodemic-in-the-context-of-covid-19/

第2位 J32 柳川春日

コロナ禍での「インフォデミック」に関する、全ての国と地域に向けた声明

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行しパンデミック宣言が出されて以降、国連事務総長と国連及び専門機関の幹部たちは、誤報や偽情報のパンデミックとも言うべき「インフォデミック」[1] の問題に、以前にも増して注意を向けている。以下は国連事務総長の言葉である。「COVID-19の蔓延とともに、誤報、憎悪、責任転嫁、そして不安を煽るようなデマが津波となって押し寄せている」。
コロナ禍における「インフォデミック」の蔓延は、人類の健康と安全にとってパンデミックそのものと同じくらい危険なものとなり得る。好ましくない影響は他にもある中で、COVID-19は偽情報やフェイクニュースや改ざんされた動画を拡散することで暴力行為を煽ったりコミュニティを分断したりすることも可能な状況を作り出してしまった。パンデミックから派生した諸問題により、紛争、暴力、人権侵害、大量残虐行為のリスクが高まる可能性があり、誤報はそれを促進する有害な要素と見て、各国が阻止していくことが極めて重要である。
このような理由から、我々は、全ての者が直ちに誤報の流布を停止し、「COVID-19に関するヘイトスピーチ対策への国連ガイダンスノート(2020年5月11日)」をはじめとする国連の勧告を遵守してこの問題に取り組むことを呼びかけるものである。
コロナ禍によってはっきりしたことは、まず、無料で入手でき、当てになり、信頼でき、事実を伝え、多言語に対応し、的を絞った、正確で、明確で、科学に基づく情報へのアクセスが絶対的に必要だということである。同様に、準備段階においても対処段階においても、関係者全員と影響を受ける全コミュニティが対話や活動に参加できるようにすることも必須である。更に、透明性、説明責任、信頼性向上のためには、信用でき複眼的な視点を持つ独立系メディアが重要な役割を果たす、ということも確認された。ウイルスの蔓延を抑えるため、総力を挙げて一般市民に充分な支援をし、彼らからも協力を得るには、こうしたメディアの存在が不可欠である。各国間の連帯と善意に基づいて国境を越えた連携を進めることで、この目標達成に貢献することができるだろう。
国家、地域組織、国連システム、その他にもメディア従事者、ソーシャルメディアプラットフォーム、NGOなどの関係者たちは、人々が 「インフォデミック」 に対処するのを支援する上で明確な役割と責任を負っている。これについては、我々は2020年4月14日に国連事務総長が発表した「国連情報対応戦略」及び「『検証済み』[2]キャンペーン」を強く支持する[3]。
我々も含め多くの国々やWHO、ユネスコ[4]といった国際機関が、偽情報に対する社会の強靭性を高めるために活動してきたことで、「インフォデミック」とCOVID-19パンデミックの両方に対処するための、また両方に対する理解を深めるための、総合的な準備態勢を強化することができた。
我々はまた、パンデミックに関連した虚情報や操作された情報が、意図的に作成され流布されることによって起こる損害についても懸念している。我々は各国に対し、偏りのない形で、また国民の表現の自由や公の秩序と安全を充分尊重しつつ、そうした虚偽情報の拡散に対抗するための措置を取るよう呼びかけたい。人々が信頼に足る情報源からきちんと情報を得られること、COVID-19に関する誤った情報に惑わされないこと、これらが担保されることの重要性を今一度明言しておく。
こうした取り組みは、表現の自由、報道の自由と報道倫理の高揚、ジャーナリストやその他の報道関係者の保護に拠って立つものであり、他にも、情報やメディアのリテラシー促進と、人々の科学、事実、独立系メディア、国家、そして国際機関に対する信頼が前提条件となる。加盟国や民間の関係者のこうした取り組みがより効果的なものとなるよう、これまでに様々な戦略が展開され、バイアスのない助言や勧告が行われている。
我々は、すべての加盟国とすべての関係者が「インフォデミック」と戦うために立ち上がり、事務総長言うところの「より健全で、より公平公正で、より強靭性のある世界」の構築を目指すよう求めるものである。
我々は引き続き、国、地域、そして地球規模で健全な情報環境を構築し、科学的で根拠のある情報や事実を以て「インフォデミック」に対抗できるよう尽力していく。これによって、次なる「インフォデミック」に対処するためのより強固な態勢を整えることができるだろう。

第1位 J81  相馬裕紀子

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「インフォデミック」についての地域共同声明

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、パンデミック(世界的大流行)が宣言されて以来、国連事務総長、そしてその他の国連、国連諸機関の幹部たちは、「インフォデミック」[1]という難題への注意喚起を強めてきました。「インフォデミック」とは、いわば誤った情報と虚偽の情報のパンデミックです。「新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、とてつもなく大量の誤情報やヘイト、そして責任のなすりつけや人々の恐怖心をあおるような情報が、一挙に拡散している」。これは国連事務総長の言葉です。
新型コロナウイルス感染症がもたらしたこの健康危機において、「インフォデミック」の拡大は、人々の健康や安全にとって、感染症のパンデミックと同等の脅威になりかねません。偽情報やフェイクニュース、そして不正に加工された動画の拡散によって暴力や地域社会の分断が助長されてしまう現在の状況は、新型コロナウイルスによる悪影響の中でも特に深刻なものです。各国が、誤情報を阻止することが重要です。誤情報が悪因となり、パンデミックの二次被害を引き起こし、それが紛争や暴力、人権侵害、そして大規模な残虐行為の発生の危険性を高めてしまいかねないからです。
以上の理由から、私たちはすべての人々に、誤情報の拡散を直ちにやめるよう求めます。そして、「新型コロナウイルス感染症をめぐるヘイトスピーチへの対応と対策に関する国連ガイダンスノート(2020年5月11日)」をはじめとする、この問題への取り組みに向けた国連勧告の遵守を呼びかけます。
無償で利用できて、信頼性が高く正確、そして事実に基づいていて、多言語に対応しており、対象が明確に絞られた、誤りのない、分かりやすく科学的根拠に基づいた情報。そのような情報へのアクセスが不可欠であるということが、新型コロナ危機においてはっきりと示されました。そして同様に、この危機への対策や態勢の整備、対応の段階で、すべての利害関係者、そして影響を受けた地域社会や共同体が必ず意見を出し合い、関与できるようにすることが重要であることも明らかになりました。さらに分かったのは、自由で独立した、責任ある多元的なメディアが中心的役割を果たすことで透明性、説明責任、そして信用性を高めることができ、またそれができて初めて、一般市民からの十分な支援と協力を得た、ウイルス蔓延抑制のための集団的な取り組みが実現するということです。各国の連帯や善意に基づいたよりよい国際協力を築くことが、その実現の後押しになります。
国家や地域組織、国連システムの他、マスメディア従事者、ソーシャルメディアの各媒体の運営企業やNGOなどの利害関係者は、人々が「インフォデミック」にうまく対応できるよう、それぞれの明確な役割と責任を果たしていく必要があります。これについて私たちは、国連による情報発信についての対応策と、「ベリファイド(検証済み)」[2]という取り組みを強く支持します。いずれも国連事務総長により2020年4月14日に発表されたものです[3]。
私たちをはじめとする多くの国々、そして世界保健機関(WHO)や国連教育科学文化機関(UNESCO)[4]などの各国際機関は、偽情報に屈しないための社会的強靭性の向上に努めてきました。またそれによって、「インフォデミック」と新型コロナウイルス感染症のパンデミックのいずれにも対応し、どちらもより正しく理解するための包括的な態勢の強化が進められてきました。
私たちは、パンデミックに関する虚偽の情報、あるいは操作された情報が意図的に作られ、拡散されることで生じる被害についても懸念しています。そのような偽情報の拡散への対抗措置を、客観的な方法で、一般市民の表現の自由、および公の秩序と安全に配慮した上で講じることを、各国に要請します。そして人々が、信頼できる情報源から正しい情報を確実に得て、新型コロナウイルス感染症についての偽情報に決して惑わされないようにすることが重要であると、改めて明言します。
こうした取り組みは、特に表現や報道の自由、最高基準の報道倫理および報道基準の推進、そしてジャーナリストやその他マスメディア従事者の擁護に基づいて行われます。また、人々が情報やメディアの性質を見極め、正しく理解し活用する能力の向上を図り、さらに科学やデータ、独立メディア、国家機関および国際機関への社会的信頼の向上を促進することも、重要な基盤となります。国連加盟国や民間の関連組織が、独立した立場からの専門的見解・提言を得ながらこのような取り組みを強化していけるよう、様々な試みが始まっています。
「インフォデミック」と闘い、国連事務総長が述べたような「より健やかで、より公平・公正で強靭な世界」を築くための行動を、すべての国連加盟国、そしてすべての利害関係者に要請します。
私たちは、科学的実証に基づく情報やデータによって「インフォデミック」に立ち向かうことのできる健全な情報環境を、国、地域、そして世界レベルで築くため、引き続き尽力していきます。そうすることによって、将来起こりうる次の「インフォデミック」に、よりしっかりと備えることができるのです。