「技術翻訳 奥義と裏技」シリーズ1: 翻訳とは、無生物主語構文

著者:富井 篤

編集:渡辺 恵子

出版社:Amazon社

本書は、2015年の3月から2017年6月までの間に発行された全20巻からなる「技術翻訳  奥義と裏技」シリーズの第1巻で、筆者が40数年前から取り組んできた、「無生物主語構文」をメインテーマとして取り上げている、Kindle版電子書籍である。この構文は、英語にだけあって日本語にはない文章構造で、「因果関係」を表現するのによく用いられるものである。そのため、全体を、「純粋の無生物主語構文」と「因果構文」の2つに分け、後者は、次の第2巻で、「結果を表すto-不定詞」と共に取り上げられている。

 

日本語では、動作を伴う構文においては「モノ」や「ヒト」を主語にとることはできるが、「コト」を主語にとることはできない。しかし、英語では「コト」を主語に取って、一般的には、

無生物の主語 + 他動詞 + 目的語

という形で使われている。無生物の主語とは、

何々が何々すること(自動詞パターン}

何々を何々すること(他動詞パターン)

何々がどうであること(形容詞パターン)

などというように名詞形であり、頻繁に主語として使われている。これを自然な日本語にするには、

何々が何々すると(または、するので)

何々を何々すると(または、するので)

何々がどうであると(または、あるので)

というように、節に変換している。そして、述部以降は、英語では、

他動詞 + 目的語

となっている部分が、日本語では、他動詞を自動詞に、目的語を主語にして、

主語 + 自動詞

として、主節につなげる。

 

このように、この無生物主語構文は、英和翻訳はもちろんのこと、和英翻訳でも非常に大事な構文である。このことが、この構文を、20巻シリーズの中の第1巻に選んだ所以でもある。

 

これに続く19冊をすべてこのWebで紹介することはできないので、以下にシリーズ全体をリストとして表示させていただく。

第2巻 因果構文、結果を表すto-不定詞、曖昧な日本語

第3巻 単体前置詞(by、for、in、of、on、to、with など)を活用する

第4巻 数量表現(その1)基本パターン、数量語句周りの各種表現

第5巻 重要表現(その1)

 

空間・時間、状態変化、因果関係、その他

第6巻 トミイ式英文データベース構築法(上)概説編

第7巻 トミイ式英文データベース構築法(下)実践編

第8巻 数量表現(その2)数と量、基数詞と序数詞、分数、比、単位と準単位、単数と複数、比較、倍率

第9巻 重要品詞:冠詞・副詞・形容詞・動詞

第10巻 各種構文(その1)否定構文・態・仮定法・時制

第11巻 代表的物理量の表現(その1)

第12巻 各種構文(その2)倒置・強調・省略・一致・反復・挿入・分詞構文

第13巻 翻訳の小技 品詞変換、補足説明、修飾語の位置、パラレリズム、列挙、表現のバリエーション、パンクチュエーション、ハイフン

第14巻 前置詞(その2)2重前置詞、前置詞と他品詞との結合、特殊用法(異種の前置詞、他)

第15巻 前置詞(その3)群前置詞(英和編・和英編)

第16巻 代表的物理量の表現(その2)

第17巻 前置詞(その4)日本語複合”後置詞”から引く前置詞和英辞典

第18巻 重要表現(その2)性質・特性、動作・行為、取説・仕様書、形状・構造

第19巻 各種構文(その3)It, that, so that, too … to, have, in such a …, など

第20巻 技術翻訳のすべて