キクタンサイエンス: 情報科学編

著者: 平井 通宏

出版社: アルク社

出版年月: 2012年 6月

情報通信技術(Information and Communications Technologies、略して ICT)は、他の科学・技術分野と比べて、歴史は比較的浅いですが、その進歩には目覚ましいものがあります。その要因として、大量のデータを高速処理したり、複雑な計算を精密かつ正確に行ったりするという、科学・技術分野共通のニーズに応えるだけでなく、コミュニケーションを迅速かつ円滑にし、人々の生活を目に見える形で変えていく力が備わっていることが考えられます。さらに、wiki や YouTube に見られるように、世界中の誰もが直接参加し、進化をもたらす、という従来の技術にない革命的な側面ももっており、そのために、さまざまな概念や言葉が時々刻々生まれています。本書では、おびただしい ICT 用語から主として、この分野の技術者・学生さらには文書作成や翻訳・通訳などの仕事にたずさわる人を対象として、必須と思われる512語を厳選して編纂しました。

ICT 用語のうち「データ」や「情報」といった基本中の基本といえるものについては、情報処理用語の国内規格(JIS X シリーズ)および国際規格(ISO/IEC 2382 シリーズ)を引用し、できるだけ正確な定義を与えています(ちなみに筆者はこれらの原案作成委員を20年近く務めました)。また、より時代に即したものにするため、パソコンやインターネット関連のさまざまな新語のうち話題性の高いものも採用し、一般ユーザに分かりやすい説明を付け加えました。なお、512語に納めるという本シリーズの制約から、固有名詞および専門性の高い用語は割愛しました。

キクタンサイエンスの特徴は、CD が付属していて、正しい英語の発音を耳から聞いて覚えられるようになっていることです。業務上外国人と電話や会議で直接話す機会が多い人々には心強い自習本だと言えます。