芸術の秋、食欲の秋、特許の秋!?ということで、2017年11月28日に、JAT特許分科会(JATPatent)の秋の勉強会・交流会を開催いたしました。特許庁見学ツアー、弁理士によるミニセミナー、夜の交流会と盛りだくさんのイベントで、平日にも関わらず31名もの方にご参加いただきました。皆様、ありがとうございました。


 
 特許庁見学ツアーでは、審査官にお話しを伺ったり、審判廷を見せてもらったりと、普段なかなかできない体験を通じて、特許をより身近に感じていただけたのではないかと思います。(ツアーが盛り上がり過ぎて、次のミニセミナーの開始時刻が遅れてしまい、誠に申し訳ありませんでした。)


 
ツアーの詳細については、また改めてアップさせていただく予定です。
 
 ミニセミナーでは、グローバル・アイピー東京特許業務法人の木本 大介 弁理士に、『弁理士から見た特許翻訳』というテーマで講演をしていただきました。
 
 セミナーのエッセンス(と筆者が思ったポイント)は、「翻訳者には『発明』を翻訳してほしい」「英語(ないしはターゲット言語)だけを読んだときに発明が理解できるような翻訳を心掛けてほしい」というメッセージでした。
 
 発明というものは、そもそも抽象的な概念であるため、弁理士が明細書・クレームとして文章化した段階で、文章化した発明が本来の発明からずれてしまう(「劣化」してしまう)ことは避けられない点をご説明いただきました。翻訳者は、本来の発明からずれてしまった明細書・クレームに基づいて翻訳を行わざるを得ないので、特許翻訳はなかなか難しい作業なのですが、できる限り、本来の発明に近づける(「引き戻す」)ような翻訳を心掛けてほしい旨のご説明がありました。
 
 そのほか、翻訳者への要望として、
・内容を理解せず、字面だけを表面的にターゲット言語に置き換えたような”翻訳”はやめてほしい、
・図面をしっかり見ながら訳していることが分かるような翻訳文・訳注を納品してもらえるとありがたい、
・訳注をつける際に、どのソース語を、どのようなターゲット語に訳したのかを具体的に書いてもらえるとありがたい(弁理士がソースクライアントへ納品する際にコメントとしてつけやすいため)
等のアドバイスをいただきました。
 
 『発明』を翻訳する…これぞ、特許翻訳の真髄であり、永遠の命題であると感じる筆者でありました。
 
 その後、ツアーで歩き疲れた身体とセミナーで酷使した脳を休めるべく、交流会へ。ベルギービール(ないしはワインやソフトドリンク)を酌み交わしながら、旧交をあたためたり、新たな繋がりを築いたり…。大変有意義な会であったと筆者は思います。



今後、JATPatentに取り上げてほしいトピックや、参加してみたい特許関連イベント等がありましたら、ぜひご意見を聞かせてください。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 
JAT特許分科会(JATPatent)より
jatpat @ jat.org
 
(文責:平林千春)