日付:
2016年3月5日
時間:
1:30 午後 - 7:30 午後
場所:
清泉女子大学 1号館2階#122、#121

JAT通訳分科会(JATINT)は3月5日(土)2015年度第4回JATINTミーティング「InterpretJAPAN 2016」を開催します。今年度は、観光通訳、遠隔通訳、社内通訳等のビジネス通訳と刑事裁判法廷通訳、デポジション通訳等のリーガル通訳の2トラック、6セッションのマルチセッションのミーティングを開催します。

日時:2016年3月5 日(土) 13:30 - 17:45 懇親会18:00~19:30

会場:清泉女子大学 1号館2階#122、#121

〒141-8642 東京都品川区東五反田3-16-21(地図http://www.seisen-u.ac.jp/access/index.php)

参加費:

JAT 会員 3,000円

JAT非会員 5,000円

学生(学生証を提示してください)2,000円

懇親会 2500円 (清泉女子大学 カフェで開催します)

問い合わせ:[email protected]

プログラム

トラック1―ビジネス通訳

セッション1 (13:30~14:45)

テーマ―習うより慣れろ:日本の伝統文化を気楽に伝えよう

ボアズ ベンジャミン

要旨
東京オリンピック開催まで5年を切りました。日本を訪れる外国人観光客の数は急増しています。日本のあらゆる所で外国人観光客へのおもてなしを徹底させなければなりません。日本文化を紹介する際に気を付けなけれならないのは、日本文化はあいまいで説明しづらいという印象があることです。ベテランの日本人通訳者でも、自分には馴染みがない伝統文化の習慣について通訳する際は戸惑うこともあるかもしれません。本セッションでは、外国人通訳者が禅の瞑想や茶道等、日本の伝統文化を通訳する際に何に気をつけるべきかを会場の皆さんと検討します。
経歴
米国生まれ。日本在住と翻訳歴は10年におよぶ。慶応大学で人類学の客員研究者として調査研究中。東京都中野区観光大使。養神館合気道 の免許状取得。外国人教育者を初めとする禅寺訪問者に対し、定期的に修行のサポートを行っている。

セッション2(15:00~16:15)

テーマ―遠隔通訳(仮)

岩田香

要旨
近年、電話は人と人をつなぐ通信機器として発展を遂げ、ビジネスの世界でも欠かせない道具となっています。電話を通じて通訳業務を行うことも可能となり、いつでもどこでもビジネスに関する通訳ができるようになりました。このセッションでは遠隔通訳の方法などを紹介いたします。
経歴
20年以上海外生活を経験した後、2011年から神奈川県に移住。広告代理店やインターネット・サービス・プロバイダー、大手製造会社、外資系弁護士事務所等で翻訳通訳の仕事をこなし、今はフリーランスとして活躍。

セッション3(16:30~17:45)

テーマ―通訳者が伝えることは?

山本あゆみ

要旨

ビジネスの通訳では、専門分野における知識の重要性が強調されることが多いと言える一方で、通訳者が伝えることははたして言葉なのでしょうか?体験型のワークショップを通して、通訳者が伝えることは何なのかあらためて考察します。

経歴

RGAリインシュアランスカンパニー日本支店アソシエイト・ディレクター&シニア・トランスレーター

クイーンズランド大学通訳翻訳修士課程、QUT MBA卒業。会議通訳者として22年におよぶキャリアを有する。会議通訳養成インタースクールプロ科修了後、通訳訓練にも携わる。現在、企業内通訳者として主に金融保険分野の同時通訳に従事。英語通訳案内士資格も保有している。

トラック2 法務通訳

セッション1(13:30~14:45)

テーマ―はじめての法廷通訳:入管法違反事件の開廷から冒頭陳述まで

佐藤晶子

要旨

本セッションでは、検察官の起訴によって刑事裁判が被告事件として始まることを念頭におき、まず公判手続きの概要を確認します。その後、以下の起訴状課題文を使い、入管法事件の開廷、起訴状朗読、冒頭陳述までの模擬裁判を行います。

起訴状課題文(事前に英語に訳し、通訳人を演じてください)

「被告人Xは、ABC国の国籍を有する外国人で、ABC国政府発行の旅券を所持し、平成23年1月10日、千葉県成田市成田国際空港に上陸し、本邦に入ったものであるが、上記旅券記載の在留期限である平成23年2月10日を超えた平成27年12月10日まで東京都港区XX町1丁目10番地に居住し、もって旅券記載の在留期間を経過して不法に本邦に残留したものである。

罪名及び罰条 出入国管理及び難民認定法違反 同法第70条第1項第1号」

(上記起訴状課題文は、財団法人法曹会『法廷通訳ハンドブック』(補訂版)を参考に作成)

経歴

外為専門銀行勤務、社内通・翻訳業務を経て、司法・法廷通訳人、大学非常勤講師、翻訳に従事。言語文化学修士(大阪大学)。米国GSU(2012-2013)、JHU(2016)J1客員研究者。アトリエ・アーク・マリー代表者。法定通訳人として2000年に登録。大阪高裁推薦で法定通訳フォローアップセミナー受講。神戸地裁で法廷通訳基礎研修講師を務める。最近は少年事件等を担当。2014年からJAT通訳分科会委員長。

セッション2(15:00~16:15)

テーマ―仕事が増えるモラル十戒

セランド 修子

要旨

・ブースに入ってみたら、自分よりはるかに上手な人がパートナーだった。

・組んだパートナーに、間違いが多すぎる。

・顧客が資料も送ってこなかったのに、アウトプットに文句を言った…。

皆さんはこんな時どう対応していますか?

通訳として働く以上、先ず時間を取るべきは、準備準備準備…。そして日頃の通訳技術の研鑽です。しかし、せっかく技術が整っていても、仕事先、ブース内での問題対応が好ましくないばかりに次の仕事の機会につながらない例も少なくないように思われます。通訳としてどう振る舞うかは極めて需要な事柄であるにも関わらず、フリーランスが行動規範に関する研修を受ける機会は全くないと言って過言ではありません。本プレゼンテーションの内容は、会社に勤めていれば当然研修として受ける内容も、盛り込まれています。

通訳プロとしてのプライドや、現場でのストレスからどうしても陥ってしまいがちな行動、振る舞いをちょっと直すだけで、仲間や顧客、エージェントからの信頼度、そして口コミが格段に上がります!

経歴

会議通訳、株式会社STCプリンシパル。

2012年に23年間の滞米後帰国。カリフォルニア州シリコンバレー在住時より、訴訟(デポジション)、IT、医学関連の通訳、翻訳に従事。2015年にこれら三分野の通訳業務のみに絞ったサービスを提供する株式会社STCを設立。夫エリック・セランドは、セランド・トランスレーション・アンド・コンサルティングを経営。マクロ経済を中心に日英翻訳を提供する他、日本の多数の詩を訳している前衛詩人である。

セッション3(16:30~17:45)

ルールが異なりすぎるデポジションでのサバイバル技法

右田アンドリューミーハン

要旨

アメリカにはデポジションと呼ばれる法廷関連の特殊な通訳業務がある。同時通訳をメインに勉強した会議通訳者はセレスコビッチの「意味の理論」を原則に稼働しているがため、法廷通訳など他ジャンルのルールには疎いことが多く、結果 デポジションの通訳技法を具備しておらず、現場で泣かされることも少なくない。このセッションでは、デポジション案件を受けた場合に必要となる通訳技法その他大切な事項について演習も交えて講義する【会場参加型インタラクティブ レクチャー】。

経歴

AIIC 正会員。株式会社ミーハングループ代表。AIIC 通訳者教育 人材育成グループメンバー、AIIC 新人通訳者メンタリング等相談グループメンバー、AIIC フェイスブックページ記事管理グループメンバー。スイス・ジュネーブ国立大学大学院 会議通訳者指導学修士課程修了。米アリゾナ州立大学電子・コンピューター工学部バイオエンジニアリング課程修了。東京ディプロマットスクールその他関東関西圏大学臨時通訳学講師。ニューヨーク・ワシントンDCでの過去担当案件には住商事件、大和銀行アメリカ撤退事件、バリ爆弾テロ裁判、BP石油流出事故: 米上院特別公聴会三井石油証言事案、東京では特許庁審判部門・知的財産高等裁判所、東京地裁裁判員裁判第1号、シンドラーエレベータ致死事件裁判などがある。

詳細は下記LinkedInページ参照:

https://www.linkedin.com/in/andrew-migita-meehan-a391a1