タイトル:句読点の打ち方 ──本多読本の「思想のテン」をめぐって
講師:守沢 良
概要:
突然ですが問題です。
下記の例文に読点を打つとしたら、どこに打ちますか。
1)句読点の打ち方をとくに意識したことはいままでなかった。しかし先週の土曜日私は句読点の打ち方についての話を聞いた。
2)実は私は文法はあまり好きではない。
句読点の打ち方に、明確なルールはありません。ただし、ある程度の目安はありますし、ある程度までは論理的な説明もできます。
昨今では句読点(とくに読点)に関する記述がネット上にも多数公開されています。それらほとんどのものの源流になっているのは、1976年に刊行された『日本語の作文技術』(本多勝一)です(以下「本多読本」と呼びます)。
それ以前には、文部省が提唱した案も有力されていましたが、本多読本はこの案を木っ端微塵にしてしまいました。句読点の話をするのに、いまだにこの案を持ち出す人もいますが、読むだけムダです。
本多読本に何が書いてあるのかは、下記あたりを読めばだいたいわかるはずです。こういうサイトが多数あることからも、本多読本の影響の大きさがわかります。
【「実戦・日本語の作文技術」】 (本多読本の続編にあたる書籍です)
http://langsquare.exblog.jp/8257836/
ただし、本多読本を読むだけで読点の打ち方がマスターできるわけではありません。本多読本には小さな欠点があるからです。
実際に読めばわかりますが、本多読本は読点がかなり少な目です。こんなに読点が少ないと、それだけで読みにくい印象になります。
本多読本が間違っているということではありません。本多読本が教えてくれるのは、最低限の読点の打ち方なのです。実際の文章を書くときには、本多読本の2大原則を踏まえた上で、それ以外の読点(本多読本は「思想のテン」と呼んでいます)を打つ必要があります。
それ以外の読点はどのように打てばよいのか……ということをお話しできればと思います。
講師プロフィール:
フリーランスの編集者兼ライター。1959年、北海道帯広市生まれ。
大学卒業後、出版社や編集プロダクションで書籍・雑誌の編集に従事する。児童書から心理学の本まで、幅広いジャンルの出版物にかかわってきた。
著書に〈ここがヘンだよ『日本語練習帳』〉(版元の倒産によって絶版になった。もはや古書のレベルだが、この数年Amazonの中古市場では妙に高値がついている。内容の一部はネットで公開されている)ほかがある。
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開催日:2017年5月27日(土)
時間:14:00〜17:00
開場:13:30 開演:14:00
会場:清泉女子大学 230号室(2号館、3階)
http://www.seisen-u.ac.jp/overview/campus.php
所在地: 東京都品川区東五反田3−16−21
http://www.seisen-u.ac.jp/access/index.php
参加費:
[Eventbriteでの事前購入]JAT会員 1,000円 / 非会員 3,000円
[当日支払]JAT会員 1,500円 / 非会員 3,500円
交流会: 17:00~19:00
会場:セミナー会場(清泉女子大学、230号室)
交流会費用 (食事と飲物、1名様あたり):JAT会員・非会員[Eventbrite事前購入]2500円 [当日支払]3000円
事前購入の申込・キャンセル期限:2017年5月25日(木) 12:00 正午(JST)
※ セミナー開催日当日に現金でお支払いただく方は、事前購入やご予約は不要です。
⇐ 事前販売は終了しました。
キャンセルが必要な場合は確実に実施してください。キャンセル期限の経過後は、[email protected]へご連絡ください。セミナーや交流会の円滑な運用にご協力くださいますようお願い申し上げます。
守沢と申します。よろしくお願いいたします。
当日の話のための「資料」です。できれば事前にザッと読んでおいていただけると助かります。
本多読本をご存じないかたは、下記を読んでおいていただくと、理解が深まるかと。当日も概略はお話ししますが……。
【「実戦・日本語の作文技術」】 (本多読本の続編にあたる書籍です)
http://langsquare.exblog.jp/8257836/
当方が話をするほか、句読点の打ち方に関する質問をお受けします。
「こういう文は、どこにテンを打てばよいのか」
「こういうテンの打ち方は適切なのか」
「○○でテンの打ち方に関するこういう心得を読んだが、信頼できるのか」
etc.……
句読点に関することなら、細かい話でも、難解な話でもかまいません。「ちょっとした疑問」が、意外な発見につながったりするものです。当方が勉強させていただきたいと考えています。
「資料のここがわからないので補足してほしい」
「ここはちょっと違うんじゃないか」
というコメントも大歓迎です。できる限り対応します。
ただ、当日いきなりむずかしい質問が出ると「即答はできない」可能性が高いというか、自信があります(その場合も、後日なんらかのコメントはします)。
できれば事前に質問していただければ、当日まで考える時間ができてありがたいのですが。