これからの人に翻訳を仕事として勧められるか
講師:時國滋夫、石川正志
講演概要
長引く国内景気の低迷、翻訳業務のグローバル化、低価格化を背景に、翻訳で生計を立てることは、以前に比べ、随分と難しくなりました。副収入を得るための仕事としては、翻訳業はやって行けますが、翻訳だけで家計を支えるのは、本当に難しい時代になったと思います。専門性の高い分野の翻訳者でも、従来よりも生活は苦しくなっているように感じられます。今、翻訳業界は大きな転換期を迎えているのではないでしょうか。
翻訳の方法論、仕事の始め方、勉強方法、エージェントや顧客との付き合い方、翻訳ツール等については、これまでJATやIJETの場で随分と議論されてきましたが、「今の時代、そもそも翻訳でメシは食えるのか」という根本的な問題は、JATの会合ではあまり議論されていないように思います。
翻訳は生計を立てられる商売なのか、翻訳で生計を立てている翻訳者、一家の家計を支えている翻訳者はどうしたら良いのか。特許翻訳ならびに金融翻訳をしている講演者2名の話をベースに、出席者の方々とディスカッション、意見交換をしたいと思います。初心者、中級者、上級者、色々な方々の意見を聞きたいと思いますが、トピックの内容上、副業ではなく、翻訳で生計を立てている人、これから翻訳で食べていこうとしている方の参加を歓迎いたします。
講演者プロフィール
時國滋夫
理工系大学卒業後、電気メーカで回路設計業務に9年間従事し、その後、技術翻訳者に転じる。現在は、電子工学・コンピュータ専門の特許出願明細書の英訳を主な仕事
石川正志
翻訳会社で翻訳コーディネーターを経験後、外資系証券会社、外資系運用会社にて金融翻訳に従事。2002年に独立し、金融専門の翻訳会社を設立、現在に至る。
開場:13:30 開演:14:00
会場: フォラムエイート http://www.forum-8.co.jp/access/index.html