JAT通訳分科会(JATINT)は11月29日(土)「InterpretJAPAN 2014」を開催します。2014年度のJATINTミーティング3回目はマルチセッションで開催することになりました。昨年好評だった通訳に関するマルチセッションInterpretJAPAN 2013に続き、今年も素晴らしいスピーカーの方々をお迎えします。テーマは「未来を築く」です。
日時:
2014年11月29 日(土)13:00 - 17:15
会場:
清泉女子大学 2号館2階 #225 #226 (セッション) 1号館 Cafe(懇親会)
〒141-8642 東京都品川区東五反田3-16-21(地図)
参加費:
JAT会員 2,000円
JAT非会員 4,000円
学生 無料(学生証を提示してください)
懇親会(飲食代含)2,500円
お申込み:http://peatix.com/event/56701
問い合わせ:JAT通訳分科会
プログラム
13:00 – 13:45:基調講演 小池勢津子氏
【プロフィール】日英会議通訳者。ハワイ大学で油絵と写真を専攻するが、帰国直後、「美術では食べていけない」と考えていたときに一時的に従事した業務で通訳のおもしろさを体験する。即座に本格的に通訳を目指すことを決め、外資系広告代理店に就職と同時に通訳学校に通い始め、それがきっかけでCNNニュースの翻訳・ボイスオーバーの仕事も開始する。二足のわらじの生活を7年続けた後に95年にフリーランスの会議通訳者になる。好奇心旺盛なため分野を限らずに仕事を続けているが、特に、医学製薬、法律、そしてスポーツ分野に魅力を感じている。ちなみに大学で専攻した美術は、今は猫の写真を撮ることのみに応用され、猫にうるさがられている。
【概要】未来を築く
私たち通訳の将来はどうなるのか。
誰もが知りたいことでしょう。でも、誰にもわかりません。
私が通訳を目指した1988年に、今のような時代が来ることが想像できたでしょうか。それからの約四半世紀で、何が変わり、何が変わらなかったのでしょうか。過去を振り返ることで、これからの通訳の道しるべが少しは見えてくるのでしょうか。そして、2020年のオリンピックは、現役の通訳者や、通訳を目指す人にどんな意味を持つのでしょうか。
未来は誰にもわかりません。でも、一緒に少し時間を取って、みんなで考えてみませんか。誰にもわからない未来について。
14:00-15:30
セッション1:鈴木いづみ氏
【プロフィール】米国にて会議通訳者、認定法廷通訳人として活躍。又、英語から日本語、又日本語から英語のATA(米国翻訳者協会-会員数1万人を超える世界最大の翻訳者・通訳者組織)認定翻訳者でもある。ATAの認定委員会及び通訳方針委員会の委員。ミシガン州デトロイト郊外に30年以上前に移り1984年に翻訳・通訳サービス及び異文化トレーニングを行う鈴木マイヤーズ&アソシエーツ(株)を設立。得意分野は製造、品質管理、自動車ビジネス及び技術、法律・法廷関係など。
【概要】短期記憶を中心とする日英通訳ワークショップ
優れた逐次・同時通訳に短期記憶は欠かせません。このワークショップでは日英の語彙を使って短期記憶の向上を図ります。記憶向上のための十のコツ、様々な記憶術(分割、イメージ法、場所法等)、それらをどのように通訳に応用するかを学びます。
セッション2:デレック・ウェスマン氏
【プロフィール】
米国サンディエゴに生まれ、ソルトレイクシティで育つ。1998年に来日し2年間滞在する。その後2004年に再来日。以後家族(妻・娘二人)と八王子市高尾に住む。2000年から2002年まで米国西部でツアーガイドと通訳業務に従事。2002年に開催されたソルトレイクシティ冬季オリンピック・パラリンピックでは、姉妹都市の松本市とソルトレイクシティの市長会談などの通訳業務に従事。この経験が人生のターニングポイントとなる。日本の政治に興味を持ち、2004年に再来日し、衆議院議員の私設秘書を務める。株式会社蛇滝商会を設立し、医療機器業界を中心に監査・査察の通訳、コンサルティング業務、翻訳を提供している。複数の大手医療機器メーカーにFDA、ISO、その他の規制に関する指導、規制当局とのやりとり、監査・査察支援を行っている。2020年の東京オリンピックに向けて、行政や地域との関係を活かして通訳者と通訳ニーズをつなげたいと願っている。
【概要】2020 年に向けた通訳ネットワークの構築
2020 年、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される。本講演の目的はオリンピックに向けてどのような通訳の仕事やボランティア活動があるかなど、情報を交換するための枠組みを全員参加のディスカッションによって模索することである。このような枠組みを構築できれば、興味のある方が 2020 年までの間にお手伝いする方法や求人情報を把握して、様々な素晴らしい機会に巡り合うことにつながると考えている。
15:45-17:15
セッション3:遠藤安岐子氏
【プロフィール】米海軍小学校で教鞭をとった後、オハイオ州の大学院へ留学。ベルリッツ語学学校のディレクターとなり、学校経営、教師訓練法、英日・日英逐次通訳・同時通訳、翻訳などの訓練を受ける。オハイオ州、ニューヨーク州でディストリクト・ディレクターを務めた後、フロリダ州マイアミでインリングア語学学校を設立、フロリダ州で2校、中南米に3校を持ち、語学教育・翻訳・通訳業に関わる。後、連邦政府の援助を受け、NPO団体南フロリダ日本協会を設立、専務理事として日米の経済・文化交流の仕事をする。フロリダ州唯一の日本語の出版物、フロリダ・ニュースの編集長も兼任。2002年に帰国、翻訳・通訳者、コンサルタントをする傍ら、清泉女子大学で講師として教鞭をとり、コンサルタントとして国際交流センターを設立。現在、日本翻訳者協会の理事として協会の発展に努めている。
通訳としては、34年間米国滞在中は各種企業の通訳、国際会議の同時通訳で経験を積み、日米企業間の訴訟案件に多く関わり、地方裁判所、連邦裁判所の法廷通訳、通訳監督などの経験も豊富。アトランタ・オリンピックではボランティアの訓練、通訳の経験もある。
【概要】2020年オリンピック・パラリンピックに向けて
・関係団体・組織、準備スケジュールについて
・通訳者・翻訳者には機会はあるのか
概要:種々の団体・組織から得た、2020年オリンピック・パラリンピックに関する情報を皆様と共有します。組織について、意外と知られていないIOC憲章について、通訳者・翻訳者に仕事の機会があるのか、どのようにしてその機会をつかむか、いつその準備をするべきか、直接的または間接的な仕事の機会、などについて。
セッション4:井上美則氏
【プロフィール】LLI井上語学研究所 所長、全国学術会議通訳者連盟 代表世話人。研究:世界認知神経細胞学会(2014)「超言語通訳理論が解決する失語症治療と人工知能開発」、ケンブリッジ大学(2012)「大脳四頭葉と意味品詞界面仮説」。医師向け英論文及びPPT発表指導、米空軍嘉手納基地・日米軍事交渉通訳官指導。
【概要】通訳学と脳科学の接点
語学一筋、約半世紀。20代に持った二つの疑問は、通翻訳は語学学習の延長?通訳の科学的理論化は可能?丸暗記学習はしない。根拠は、丸暗記が社会参加能力を妨げるからだ。知識も語彙も「身に付け」よう。音読、筆記、文化の画像化と語彙化の瞬間的繰り返しで身に付き(細胞化)易い。通訳学は芸大に設置しよう。文章は楽譜、解釈の個人差は言葉の質を左右する。「感性は理論」。訳者解釈が、発表者の意図をより明解にする、皆経験があろう。これぞ芸術領域だ。訳者の感性と研鑽が加味され、一層の芸術的相乗効果を生む。私の「大脳四頭葉と意味品詞接点通訳理論」が欧・豪の学会で多く評価された。失語症治療や多面情動翻訳機開発が夢だ。
17:15:InterpretJAPAN 2014終了
17:30 - 19:30 懇親会 2,500円
後援
一般社団法人日本翻訳連盟
大阪大学大学院言語文化研究科