Winners: 4th Annual JAT Contest for New and Aspiring Translators

The winners of the 4th Annual JAT Contest for New and Aspiring Translators have been announced, for both the Japanese to English and English to Japanese sections.

Congratulations to all the finalists and winners, and thanks again to the contest organizers (Mike Sekine and Karen Sandness) and judges (Junko Ogawara, Emily Shibata-Sato, Yukari Ishihara, Malcolm James, Steven Venti, Ken Wagner, Kiyoshi Chimasu, and Sophie Natsusato) for their hard work.

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Special March Meeting: Tezuka Osamu, Astro Boy, and the Roots of Modern Manga and Anime

In an illustrated presentation, Frederik L. Schodt will discuss how Tezuka Osamu created his most famous manga and anime character, and also created the template for the current global manga and anime revolution. The translator of the 23-volume Astro Boy manga, Fred will also comment on the process of localizing the Tetsuwan Atomu/Astro Boy manga, as well as the original anime.

Date: Saturday, March 22, 2008
Time: 14:00 - 17:00
Meeting Place: Forum 8, Room 1206
Address: Dogenzaka 2-10-7, Shibuya, Tokyo
Phone: 03-3780-0008
Cost: Free for JAT members, ¥1000 for non-members

Speaker Introduction:

Frederik L. Schodt is a San Francisco-based writer, translator, and conference interpreter. He has writtenextensively on Japanese pop culture, technology, and history, and he has translated numerous manga. In 2000, he won the special prize of the Asahi Shinbun's Osamu Tezuka Culture Award, for his work in popularizing manga overseas. He frequently served as Osamu Tezuka's interpreter on his trips to North America from 1978 into the eighties.

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March JAT Meeting: Japanese/English Business Correspondence & Pre-IJET Networking

JAT's March meeting will be held on Saturday, March 15, 2008, from 2:00pm to 6:00pm, followed by karaoke. Details follow.

Subject: Pre -IJET Networking - Japanese and English Business Correspondence for What If Situations and President's Reception
Moderators: Kiyoko Sagane and Lisa Hew
Date: Saturday, March 15, 2008
Time: 14:00 - 18:00
Meeting Place: Tanto Tanto Shibuya (restaurant), 8F of Tokyu Bunkamura
TEL: 03-3477-3881
Cost: JPY4,500 (JPY4,000 for JAT members)

RSVP here, and feel free to contact us with any questions.

Helen, Kiyoko, & Lisa
Tokyo Activities Committee

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通訳翻訳ジャーナルでの連載開始

通訳翻訳ジャーナル 2008春

日本翻訳者協会は通訳翻訳ジャーナルとタッグを組んで、2008年春号(発売中!)から新しい連載企画をスタートしました。日本翻訳者協会としては久々の大プロジェクトであり、通訳翻訳ジャーナルではおそらく初となる英語記事の掲載ということもあり、今後も力を入れて頑張っていきたいと思います。

初回は特許翻訳者・ジェームス・フィリップスさんで、Thoughts and tips on becoming a patent translator (特許翻訳への道 成功するために)と題された記事です。特許翻訳におけるよくある質問に分かりやすく答える内容です。オリジナルの英文は5月に本サイトにおいて公開されます(次号発売後)が、本人訳の日本語版はこちらからご覧になれます

次号はEmily Shibata-Sato(佐藤綾子)さんです。

通訳翻訳ウェブ

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通訳翻訳ジャーナル 2008春

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2008年度のJAT役員選挙:候補の募集


寒くて暗い冬の夜が過ぎ去り、いよいよ春が到来しました。そしてJAT役員選挙の時期となりました。

理事または監査に立候補される方を募集いたします。JATの改善方法についてアイデアをお持ちの方、同僚翻訳者の支援に意欲をお持ちの方など、是非、奮ってご応募ください。

本年、新たに募集するのは、理事4名と監査2名(それぞれ任期は2年)です。JAT理事候補の資格としては、2008年3月20日現在、過去1年以上JATに在籍していることが必要です。

[募集枠]


  • 理事4名
  • 監査2名



[選挙スケジュール]


  • 立候補声明文募集期間:3月1日~3月20日
  • 立候補公告期間:3月21日~4月4日
  • 投票期間:4月5日~4月26日



これから3月20日(夜中の12時JST)まで立候補声明文を受けております。立候補声明文は英語の場合300ワード、日本語の場合は600字以内でお願いします。立候補声明文は、お名前(フルネーム)、性別、国籍、現住所、ご自宅の電話番号、およびeメールアドレスをご明記のください。

皆様、JAT が皆様のために何ができるかを問う前に、皆様がご自身で JAT のためにできることを考えてみて下さい。皆様からの立候補声明文をお待ちしております。[[email protected]] 宛てに立候補声明文をお送りください。

2008年JAT選挙管理委員会
姫野 幸司(委員長)
青野 孝彰(推進委員)
Duncan Dance (推進委員)

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第4回新人翻訳者コンテスト 結果発表(英日部門)



英日部門には19人の応募がありました。今期のコンテストは日本翻訳者協会ウェブサイトの移転などの影響もあり、やや広報不足の感がありましたが、応募して下さった皆様には心からお礼を申し上げます。

応募者の数が予想以下だったため、一次審査は行われず、応募者19人すべてが二次審査に進みました。その中から以下の6人が最終選考に残りました(敬称略)。

No.21 吉澤陶子(よしざわ とうこ)
No.24 本橋智美(もとはし ともみ)
No.29 栗原朋之(くりはら ともゆき)
No.35 南佐洋子(みなみさ ひろこ)
No.38 増井俊雅(ますい としまさ)
No.61 添谷ラングあゆみ(そえや)

さらに最終審査の結果、入賞者が次のように決定しました。

第1位 No. 61 添谷ラングあゆみ(神奈川県川崎市)
第2位 No. 38 増井俊雅(京都府京都市)


選ばれた方も、惜しくも選外となられた方も、ぜひ原文とご自分の翻訳をもう一度見直して、翻訳力向上の一助にしていただければ幸いです。より詳しい講評は4月に沖縄で開催される日英・英日翻訳国際会議(IJET)で行なう予定です。

関根マイク
英日部門実行委員

■審査講評


小河原順子審査員


今回の課題文は、比較的読みやすい印象を受けたかもしれないが、翻訳の完成度を高めるためには、背景の事実調査も必要であるし、ニュース性、金融情報、ビジネス文書の各要素を加味した文体や表現の工夫、日本語としての完成度等が求められた。

翻訳者がきちんとした背景調査を行ったかどうかは、例えば、”merger of equals”を「対等合併」として訳せているか、”Chrysler”を何と訳しているかどうかである程度伺える。前者については、最終審査に残った6人中5人が訳せていることは良い。後者については、In the heat of summer 1997, Daimler Benz purchased Chrysler for 37 billion dollars in a reported business merger of equals. Now, not quite 10 years later DaimlerChrysler is selling Chrysler for a reported 7.4 billion dollars for 80% of the firm.の文章をみてみると、最初のChryslerと2番目のChryslerをまったく区別せず両方とも「クライスラー」とした応募者が2名、2番目のクライスラーを「クライスラー株」とした応募者が2名、2番目のChryslerを「クライスラー部門」と訳せていた応募者は2名のみであった。今回の課題文は、専門家向けのビジネス文書ではないが、事実を正確に記す慎重さが求められる。

読解力では、例えばIf the loss of 30 billion dollars in business value is not bad enough apparently the entire purchase price being paid by the buyer Cerberus will be placed into Chrysler and not retained by Daimler.の前半は、筆者の皮肉が含まれていることを感じ取らなければならないが、これをまったく文字通り訳してしまった応募者が2名いた。また、 Don't wait until even the "business challenged" can tell you must sell.の訳については、文意をまったく理解できていない応募者が3名、残りの3名は文意はまあまあ理解できているが、括弧をつける場所を間違えていたり、精度に欠けていた。ちなみに "business challenged" とは、「経営に無知な人間/疎い人間」といった意味である。また、In the name of efficiency Daimler didn't let Chrysler keep dancing the dance that got it to the ball.の訳についても苦労の跡が見られたが、ここは「舞踏会」などという表現を使うようでは不合格。この文章以前の情報からわかるように、クライスラー社がデザイン力で成功していたにもかかわらず、ダイムラー社はそのデザイン力を発揮させるチャンスを与えなかったという文意が読み取れなくてはならない。

日本語力という点では、Exciting new product lines were eagerly accepted by the market. の訳について全員が苦労していたようであるが、このような文章の場合、「熱烈な歓迎」「熱狂的に受け入れられた」などのドラマチックな表現は不自然である。「圧倒的な人気/支持」などと表現を工夫できるようになりたい。また、「Exciting new product lines」についても、冗長な表現が多く見られた。

応募翻訳を個々に見てみると、1位となった61番については、まだ誤訳も不自然な日本語もあるものの、最終審査に残った6名の中では、間違いの幅も少なめで工夫した表現もみられ(「300億ドルという事業価値の損失もさることながら」、「アメリカのアイコン的存在である、オフロード走行性を誇る、米国製4WD」、「主力であるジープ製品の価値もひどく傷つけてしまった」)、全体的に自然な仕上がりであったと言えるであろう。ただし、プロの翻訳者として通用するようになるには、「なぜこのような状況に繋がったのか」、「いつまでも変わらない車」、「どのような立ち位置に」、「お手軽な車」などの不自然かつ稚拙な表現は改めるようにしなければならないし、「財務活動によるキャッシュフロー」、「新車を販売しないことに何の意味があったのだろうか」、「競合としてようやく意識し始めたのは」といった誤訳はなくせるようにならなければならない。今後の更なる努力に期待したい。

他の5人については番号順にみていく。

21番は、全体的にこの業界に詳しくない者によって書かれた翻訳文であることがわかってしまう文体である。「対等合併」、「教訓」といった表現は良いが、タイトルの「売却価値を下げないために」や「失敗からわかること」の他、「報じられたのは1997年の真夏のことだった」といった冗長な表現や、「取り分となる見込みで、ダイムラーには何の実入りもないようだ」、「この出来事」、「カバー可能」などの原文の性格に適さない表現は改善の余地がある。また、「重要なのは、売却益ではなく、そのことが事業にもたらす利益である」という小見出しも、本文の内容と合っていないことに気づきたい。

24番は、最初から「購入」という不適切な表現が使用されている。こうした分野の内容に詳しくなくても、少しインターネットで検索を行えば、このような不適切なキーワードの訳をすることはないであろう。また、「記録的な売上高と28億ドルという純利益を打ち出していた」といった不自然な表現や「購入費用がまかなえただろう」といった歯切れの悪い表現、「成長する計画もなければ」といった意味不明な訳などが見られる。ただし「クライスラー部門の株式80%」といった表現は良かった。全般にわたる翻訳力の研鑽に努めてほしい。

29番は、「過剰生産設備」、「売却時期」といった表現は良いが、「対等な事業統合」、「他人の不幸を食い物にする輩」といった原文の性格に合わない表現が見られる他、「300億ドルの事業価値の損失はそれほど大きくないとしても」といった原文の理解力の欠如、「購入額の全額は、どうやらダイムラーのものにはならず、クライスラーに割り当てられるようだ」という冗長かつ原文を理解しきれていない訳、「事業の統合や売却をする際は、売上高ではなく営業利益」に見られる訳抜け、「舞踏会へと導いたダンスを」といった読解力の欠如がみられる。普段から英文に慣れ親しみ、メッセージを正確に読み取る力をつけたい。

35番は、努力して訳した様子が感じられ、調査力、文章力共に6人の中ではもっとも優れていると思われたが、原文にない情報の追加があったり、意訳しすぎている部分が多々見られる(「最悪の事態に見舞われることになる」、「今一度肝に銘じよう」、「売却時期の鋭い見極めが利益増のカギ」、「格下企業にすら売却に賛同されるようになればもう遅い」など)。翻訳者は、あくまでも原文を正確にターゲット言語で伝えなければならないという使命を忘れずに、翻訳技術を洗練させていってほしい。

38番は、比較的無難な訳に仕上がっていたが、タイトルの「崩壊」、「買収の埋め合わせ」といった不適格な表現、「300億ドルは深刻な損失ではないにしろ」といった原文の理解不足、「売りに売った」、「待ったなしの一時解雇」、「対等結婚」といった文書の性格に不適切な表現、「「企業が窮地にある」ために~日和見主義差に得をさせてしまうだろう」「ダイムラーが傲慢な配偶者であることがまもなく露見した」といった原文を無視した訳などが見られた。翻訳にあたる際には、原文を十分に読み込み、業界の文体にも慣れ親しむようにしたい。

佐藤綾子審査員


これまで3回コンテストの実行委員を務め、今回初めて審査を担当した佐藤です。「早く審査してくださいね」と言っていたのが逆の立場となり、審査の難しさを思い知らされました。

まず、コンテストに応募して下さった皆様に心からお礼を申し上げます。そして、最終審査に残った方々には拍手を送ります。大昔、私も何かのコンテストに応募したことがあるのですが(翻訳雑誌の翻訳クリニックだったかもしれません、記憶は定かではありません)、1次審査にも残りませんでした。それでもこの業界で何十年か生き延びております。ですから最終選考に残らなかったとしても、それほど気を落とさず、ファイナリストたちの文章を見比べ、講評を読み、今後に活かしてくださればと思います。翻訳においては「継続が力なり」ですから。

さて、課題文に「ビジネス」ものが登場したのは今回が初めてです。普段、日経新聞やビジネス・業界誌(紙)、あるいはビジネス関係のサイトやブログなどをあまり読んでいない方にはとっつきにくかったかもしれません。”Purchase” を”購入”(21番)に、あるいは”privately held business”を「私有企業」(29番)(「私有企業」は「国有企業」との対比で中国関連の文章に登場することが多い)としたのは、慣れていなかった例でしょう。まずはGoogleで検索したり(クライスラー、ダイムラー、サーベラスの3つの単語で検索するだけで、「買収」に関する記事などが数千件みつかります)、雑誌や新聞記事を探したりして、少なくとも数十ページ分をまず読み、雰囲気をつかまれることをお勧めします。

読解力に関するチェック項目のなかから2点挙げます。

”When Daimler purchased Chrysler a new design center had been completed allowing Chrysler to bring cars on the market in three years or less./ <その2パラグラフ後に出てくる>What happened to the design studio again? ” ここでは最初の a new design centerと次の the design studioが、同じものを指していると訳文からすぐわかるか?をみました。21番(デザインセンター・再び気になるのはデザインセンター)と61番(新しいデザイン拠点 / 先ほどのデザイン拠点)が訳語を統一させていましたが、他の方々は、24番(設計センター・設計所)、29番(デザイン・センター/ デザインスタジオ)、35番(新デザインセンター/前述のデザインスタジオ)、38番(設計センター/ 設計部門)と表現が異なっていました。英語では最初が“…a design center” 次が “…the design studio again”と theがつくので同じものだとすぐわかりますが、“center“ と“studio“を直訳すると「あれ、これって何だっけ?」と前を読み返すために、読者が数秒ロスしてしまう可能性があります(ただし、自動車業界の人ならばすぐわかるかもしれません)。正確さや厳密さが要求される学術文書や法律文書ではありませんので、なるべくさらっと読める工夫が必要だと思います。

もう1点は 5パラブラフ目に登場する “affordable car style”で、訳文から「値段が安い・予算内」だとすぐわかるかどうかです。「手頃な」だけですと、日本語では「手頃なサイズ(大きさ)」などの言い方もありますので、ちょっと迷ってしまいます。

では各人の講評です。番号順に行きます。

21番は最初、私にとっての1位候補でした。"business challenged," “the ‘crossover’ or mix of SUV and Minivan”などで意味を取り違えたところや、ビジネス文書に慣れていないとすぐに分かる表現はあったものの、日本語としてとてもおかしな表現は見当たらなかったからです。しかし、全体的にみると、訳文が冗長で(一番短い人より400字程度多い)読みにくかったのが減点対象となりました。たとえば最初の文章「ダイムラー・ベンツが370億ドルでクライスラーを買収し、対等合併を行うことが報じられたのは1997年の真夏のことだった」では、1つの文章に「こと」を2回使わないようにする等、訳文を引き締める工夫を重ねればよいかと思います。

24番は、最初に引用した”purchase/購入”がこの分野に慣れていないと察せられる一例でしたが、不自然な文章の流れ(「…価格設定で重要となる。上昇サイクルで…」)、おかしな日本語表現(「活気に満ちた新製品ライン」、「成長する計画もなければ」、「報道が街に流れた時」、「有能な社員は大切な商売道具である」)も減点対象となりました。“Chrysler was a low cost provider”のところはよく解釈できていました。今後は、英語だけではなく、日本語の文章もたくさん読まれることをお奨めします。「言葉の誤用(誤用にご用心)」http://starscafe.net/kotoba/misuse/ などというサイトも役立つかもしれません。

29番は、“Now, in 2007, Chrysler has revenues of 62 billion dollars … with no projected growth and no current cash flow for financing.”の“cash flow for financing” の意味をうまくつかめていない人が多かったなかで、「資金調達のためのキャッシュ・フローもない」と訳せたのはよかったと思いますし、 “business challenged” も解釈できていました。しかし”In a merger originally billed as a marriage of equals…” の「当初は対等な連合と宣伝された統合」など不自然な表現や、”Compare that to the current industry weakness…” の「この状況を現在の業界の弱点と…報告を伴う弱点だ」というぎこちない訳などが減点対象となりました。

35番は、「意訳」コンテストでしたら1位となる可能性もありましたが、あくまでも、解釈をなるべく加えず、意訳もなるべくせず、それでもなおわかりやすく訳出するのが目的の「翻訳」コンテストでしたので、何か所か減点対象となりました。最初見落としたのですが(他の審査員の方から指摘されて気がつきました)、ドルを「円」としてしまったところもありました。あと日本語表現ではがんばったものの、原文の意味が取れていないところがかなり多かったです。”Jeep was very close to the Marlboro Man in American mystique”を「ジープはかのマルボロマンの車」としたのは、情景が目に浮かんでくるようではありますが、バツです。(ちなみに”Jeep”と “Marlboro”で画像検索をしたところ、なぜかMickey Rourke とDon Johnson主演のアクション映画”Harley Davidson and the Marlboro Man” のポスターが出てきました)。

38番はとてもよく訳せているところが何か所かあり、文章の流れもよくて、まずは上位進出を果たしました。しかし決定的な減点対象となったのは訳文の「利己的な日和見主義者」「傲慢な配偶者」、「待ったなしの一時解雇」という表現でした。あと細かい誤訳やちょっと訳し足りないところ(「未公開企業」、「企業が窮地にある」、「手頃なスタイル(前述の ”affordable”)や、文法的におかしいところ「クライスラーは…失墜した(失墜するのは「権威」や「信用」や「信頼」で、会社は失墜しない)」があり、1位を逃しました。

そして結局61番が1位となったわけですが、一番悩んだのは、「過剰整備(「設備」だと思われる)」、「医療や退職費用負担よる(「による」だと思われる)、「お手頃な車という座も失ってしまったのです(ここだけ「ですます」調になっている。また”affordable”も訳し足りていない)」などの、誤字・脱字・チェックし忘れをどの程度減点するかでした。また”in a reported business merger of equals”(「対等合併」と称して)、”Daimler, in 2007, finally brought out a Hummer competitor…“(ダイムラーが、ハマーを競合としてようやく意識し始めたのは…)など、かなりの減点対象となるところもありました。結局、プラス点とマイナス点を総合的に判断し、紙一重で1位としました。

過去のコンテスト入賞者の中には、入賞がきっかけとなって翻訳者としてデビューを果たした、あるいは活躍の場がさらに広がった方々もおられます。繰り返しになりますが「継続が力なり」です。皆様もよりよい翻訳をめざし、今後とも精進を続けられますよう。

石原ゆかり審査員


課題文は、一般紙の経済面が理解できれば、さほど高度な知識を要求される内容ではありません。「business」、「sell / buy (sales / purchase)」などを文脈に合わせて訳せるか、また、金額や固有名詞などを正確に表記できるか、などの点に注目していました。さらに、背景・文化知識が問われる比喩や皮肉表現が多いので、英語に引きずられずに日本語として正しく訳せるか、という点も重視しました。

この課題文を読んだとき、翻訳を学び始めた頃にこのような一般記事をいくつも課題に出されたことを思い出しました。表現が楽しく、「訳しがい」がありそうだと思っても、背景に関する理解が曖昧だと日本語表現が出てこず、下調べする、英英辞典を駆使する、英語ネイティブに聞く、など、勉強方法を身につけました。さらに、日本語訳として選んだ表現の意味が原文の意味と合っているか、はたまた、それが正しい日本語であるか、先生や同級生から逐一追求され、国語辞典や類語辞典で調べたものです。今では、これが翻訳の基礎訓練であったのだと、この時期を懐かしく思います。

自分の体験を長々と述べた理由は、最終選考に残った6作品、1位となった61番も含め、いずれも、このような基礎訓練が足りないのでは、と感じたからです。逆に言えば、このような基礎訓練こそがプロへの道を拓くカギとなります。以下、番号順に作品ごとのポイントを述べますので、今後の参考にしてください。

21番は、「余裕のなさは買い叩かれるもと」、「才能は事業の要、流出させることなかれ」など、個人的には気に入った表現もあったものの、文脈に即していない用語選択や「カバー可能」など、口語的と思われる表現がありました。「スタイリッシュ」という外来語は日本語として定着しているか、「アメリカの伝説」とはどういう意味なのか、など、もう少し突き詰めて考えてみてください。「Daimler didn't let Chrysler keep dancing the dance that got it to the ball」を「ダイムラーはクライスラーがヒットを産み出して来た従来のやり方を継続させようとしなかった」と訳し、意味はとらえているものの、「ヒットを産み出して来た」の部分が「超訳」となっている点に気をつけてください。残念なのは、文章が冗長的で読みづらいため、稚拙な印象を与えている点です。自分で声を出して読んでみる、人に読んでもらって聞くなどして文章を洗練させると、「英文和訳」から「翻訳」に脱皮できることでしょう。

24番も文章力に問題がありました。全体的に文体に一貫性がなく、「キャッシュフローを最大にすること。」、「間違いを避けること。」などと体言止めにしたのも、この場合では不完全な印象を受けます。「底値を狙った者たち」、「ハマーの競合モデル」など意味を理解していて上手に訳してある表現もありますが、「購入するキャッシュをもたらし」、「市場に車を出す」などの口語表現やその他の不自然な表現も見られました。「SUVとミニバンが重なり混在する時代」は誤訳です。

29番は、「ダイムラーがクライスラーを買収した当時は~」の段落など、原文をよく理解していると思われる部分はうまく訳されていますが、「人材こそ事業だ」、「アメリカの神秘性」、「対等な連合」、「デザインの速さ」(「設計の速さ」であれば意味が通じる)など、意味が不明か、あるいは不自然な表現があり、原文の理解不足が反映されていました。また、「クライスラーが死から再生したことに基づけば」は「基づく」の主語が不明で(直訳?)、主部との関係が成立しておらず、意味不明な文になっています。「競争相手に頼らざるを得なくさせたり」は誤訳です。読者は原文と読み比べるわけではないのですから、日本語の文章としてきちんと成り立っているか、正確に訳しているか、推敲時の確認を心がけてください。さらに、「分る」は「分かる」の表記の方が一般的でしょう。実務翻訳では送り仮名などの表記についても気を配る必要があるので、日頃から一般的な表記に親しむようにしてください。

35番は、文章がかなりこなれており、工夫して訳していると感じましたが、意訳が多く、原文にない補足もいくつか見られ、審査中、何度も原文に戻って確認する必要がありました。「…is not bad enough…」の構文を変えて「~最悪の自体に見舞われることになる」と「超訳」されていますが、素直に原文どおりの構文で訳しても良いのではないでしょうか。「アメリカの三大自動車メーカー(ゼネラル・モーターズ、フォードモーター、クライスラー)」に見られるような補足も、親切心からなのかもしれませんが、この文章の読者層は一般ビジネスマンなので不要でしょう。むしろ「ジープはかのマルボロマンの車」の部分の方が、今日の日本の読者間で一般的な知識であるか疑問なので(グーグル検索でもヒットは少ないですね)、あえて補足をするならここではないでしょうか。「人材の実力を発揮させることなく」、「トレンドから距離を置いた」などは誤訳と判断しました。「28億円」の単位間違えや「2006年まで」の部分で「three years prior to」が抜けている (意図的?) などのミスも残念です。

38番も、文章がかなりまとまっていて、「記録的な活況を」、大きな対価を払って得た人材を流出させてしまうのだろうか」、「買収側には朗報だが」など、感心させられる良い表現もいくつか見られたものの、「人材が企業」、「最後の痛手は」など、意味が不明な表現もあり、また、「クライスラーが魅力的に映っていたときのやり方」、「今回の出来事はどの様な経緯をたどったのか」などの誤訳がいくつかありました。さらに、最後のまとめの部分は、息切れされたのか、まとめなのに、うまく文章がまとまっていない印象を受けました。日本語の文章として読んだときに文意がきちんと伝わるかどうか、人に読んでもらうなどしてみてください。

61番は、脱字や誤訳、また「買収を目指すなら」、「デザインにおける~素早さを」、「キャッシュフローを~引き上げる」など、日本語として意味が成り立っていないと見られる表現や、「当時の経営陣は」など、人によっては「超訳」と判断する可能性がある訳が見られました。ただ、6作品の中で一番文章が自然であり、かつ、誤訳やその他のミスが少ない、または深刻度が低いことから1位となりました。原文に対して素直に訳してあり、意訳も他に比べて少なかったです。「飛ぶように売れていた」、「経営の分野の素人」、「ジープは、アメリカのアイコン的存在である「マルボロ・マン」を彷彿とさせる」などは良い訳だと思いました。

最後に、いずれの作品でも「affordable style」がきちんと訳されていないのが残念でした。平たく言えば「スタイルが良いのに、値段が手頃」という意味なのですが、「手頃に買える」、「手頃な車」など、「style」が抜けていたもの、「スタイリッシュカーブランド」のように「affordable」」が抜けているもの、「手頃なスタイル」、「手ごろに買えるスタイル」のように日本語としては誤っているもの、のいずれかでした。また、今回の減点対象にはしていませんが、実務翻訳のトライアルなどでは、見出しを原文どおりに太字にする、「SUV」など英文がある場合は原文と同じフォントにする、半角文字にする、また、スペース、タブ処理などを統一させるなど、翻訳以外の部分でも判断される場合もありますので注意してください。

実務翻訳の評価は減点制です。表現に凝るよりも、誤訳やミス、超訳がなく、読みやすい文章となるように、そつなく訳す方が無難でしょう。原文どおりに素直に訳すという基本に戻ってみてください。原文を読んですぐに翻訳に取りかかるのではなく、原文を英語で要約したり言い換えしたりする、あるいは1行ずつ口頭で翻訳してみる (sight translation) など、まず原文内容を理解する練習を採り入れてみてください。

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第4回新人翻訳者コンテスト 結果発表(日英部門)

大変申し訳ありませんが、このページは英語のみです。

The judges of the 4th annual JAT translation contest for new and aspiring translators have made their final decision, and the results are as follows:

The semi-finalists, in order of the numbers assigned to their entries, were:

33. Sarah Bull
39. Midori Nieft
51. Suzy Bates
52. Rossa O'Muireartaigh
62. Monica Farrell
64. Nathan Yeldell

After much deliberation, the judges awarded prizes as follows:

First place: No. 62, Monica Farrell
Second place: No. 33, Sarah Bull

Many thanks to everyone who applied. Choosing the winners was a difficult task, given the number of entries and their level. I observed the judges' deliberations via e-mail, and they they took their responsibilities very seriously. Even if you didn't win, I hope you found the contest to be a challenging and worthwhile exercise, and I hope that some of you will try again next year.

Karen Sandness
Contest Liaison

Commentaries from the Judges


Malcolm James


The stated purpose of the contest is "to cultivate new talent in commercial non-literary translation." In judging, I was trying to find the person with the most talent to become a top commercial translator, not the person who produced the best translation at this stage. Simple misinterpretations are likely to disappear with experience, so I regard them as less of a problem than if this were an actual commercial translation. I'm much less willing, however, to be lenient on translators who submit a translation that doesn't seem to have got a final read-through, or who produce a translation that doesn't seem to have considered the document's context and purpose.

The passage for translation is part of a page giving plain language summaries of chapters of a government report. The Japanese is easy to read, well-structured, and quite accessible. I'd like to think the English could be, too. However, there are some paragraph-length sentences gave the translators problems.

General points

Three of the finalists wrote their translations from a different time perspective from the genko, which was dated December 2001. Two of the finalists translated "要約" in the title as "abstract," but that’s not really appropriate for a chapter summary. Both of those errors could have been avoided by simply taking the URL at the top of the passage, looking at the full page on the Internet, and thinking more about the context of the part being translated. The "効果" in the title was also problematic. Four of the finalists used "effects," but two used "effectiveness," which seems a better fit with the rest of the passage. It's always a good idea to go back and do a reality check on the title when you reach the end of a passage.

Specific points for #33

I liked No. 33's translation for its clear writing, which makes it easy to understand. Examples include "the new curriculum guidelines to be fully implemented from the 2002 school year," and the treatment of Paragraph 3 (see comments on No. 62). However, there are places where this goes too far, sacrificing accuracy for readability. For example, "immediately after warning labels are introduced people remember their contents, but ... the percentage of people who still remember the contents after a month decreases" reads well, but the "still" shifts the emphasis and increases the risk of misinterpreting this phrase to refer to recollection after an interval of one month instead of recollection after a month of continual exposure. Contrast this with "consumers could recall the contents of a warning label immediately after its introduction, but one month after the introduction that percentage dropped." (No.64) There are also comprehension errors, as seen in "noticing the social factors that trigger smoking" and "in order to expand economic activity beyond the borders of multinational corporations."
No. 33's natural writing style is an excellent basis for translation, and I expect him/her to become a very good translator as experience brings greater comprehension of the Japanese.

Specific points for #39

No.39 was generally good, and read well, but suffered from grammar and logic problems in the English. Look at Paragraph 3: "Another study shows the correlation between increases in price and its affect on consumption. Raising the price of tobacco products exceeding the rate of inflation and growth in average income leads to a decrease in tobacco consumption, particularly among minors and lower income groups." The translation is correct, but it has the following problems:
- Word choice: "affect" should be "effect". (Interestingly, No.39 used "effect" correctly in the title.)
- Logic: There's always a correlation between an action and its effect, so perhaps this should have been "correlation between price and consumption"?
- Word choice: "Raising the price ... exceeding the rate of inflation" should be "... in excess of the rate of inflation"
On the other hand, there were some places where the phrasing was inspired, reading naturally, but still conveying the full meaning of the Japanese. "Programs focusing on developing skills to counteract the pressure from such social factors" is a good example. Also, No. 39 was the only finalist to actively acknowledge the way the last paragraph uses "各国" to signal a contrast between what's happening at the national level and what's happening at the international level.

Specific points for #52

I took an instant liking to No. 52 for being the only finalist to find a proper place for "cigarettes" in a text where the focus was on "tobacco."
However, there were a number of translation errors (for example, "According to healthcare providers and others, smoking cessation counseling" for "医療従事者などによる禁煙指導") and over-literal translations ("research and reporting being done").
I liked the phrasing of "this correlation is particularly strong for minors and low-wage earners," and the brevity of No. 52's treatment of Paragraph 3 (see comments on No. 62).

Specific points for #53

Although No.53 appeared to misunderstand the passage at several points, he/she had a nice turn of phrase, as seen in "Another device" in Paragraph 2. The translation was let down by poor checking, though. A proper read-through before submission would have caught the following errors in the English:
Para 2: "have been the focus much study" (should be "...focus of much ...")
Para 2: "warnings in form of photographs" (should be "... in the form of ...")
Para 4: "advice that direct targets the habits" ("... directly targets ..."?)
Para 6: "The prospects ... are well under way" (?)

Specific points for #62:

The overall winner, but tended to be wordy, which sometimes made the text a little less comprehensible. For example, compare three different versions of Paragraph 3:

No.62: Additionally, with regard to the effect of tobacco price hikes on tobacco consumption, reports indicate that tobacco consumption declines when the rise of the price of tobacco exceeds the rate of inflation as well as the income increase rate. This decline is especially connected to inhibiting tobacco consumption among minors and people in lower income brackets, according to reports.

No.33: Reports regarding the effect of prices increases on tobacco consumption claim that when price hikes for tobacco products exceed the rates of increase for other products and for wages, the result is a decrease in consumption; particularly among under-age smokers and people in low-income groups.

No.52: Meanwhile, it has been reported that when the price of cigarettes rises faster than the rates of inflation and income, cigarette consumption declines and this correlation is particularly strong for minors and low-wage earners.

For this paragraph, No.62 takes 30% more words than No.33 and 73% more words than No.52 to say pretty much the same thing. These translations are all 'correct' but take different approaches. No.62 would benefit from practice at editing his or her own translations to cut the number of words by 15% or so without sacrificing accuracy.

Errors included the logical error in "unless the format of warning labels changes, it is ineffective to change only the content of the warnings" ("only" introduces a contradiction), "the new Courses of Study that will be implemented as the standards for educational courses ..." ("standard"?), and there were over-literal translations such as "This decline is especially connected to inhibiting tobacco consumption" and "negotiations are currently in progress" ("currently" is superfluous).

I particularly liked the overall accuracy of this translation, and expect the translator to keep improving as experience brings more confidence to step away from a very literal approach.

Specific points for #64:
Had some nice ideas but poor execution. I liked the attempt to write the text in a readable manner, but there were too many places where the English would have benefited from a critical read-through before submission. Examples include:
Subject-verb agreement: Para 2: "an obligation ... are among techniques" (should be "obligations" or "is among techniques")
Subject-verb agreement: Para 5: "the new course of study ... stipulate ..." (should be "should be "stipulates" or "stipulated")
Word choice: Para 5: "stipulate that ... education be taught" (a lofty ambition, but inappropriate here)
Unnatural phrasing: Para 7: the ... WHO ... decided to request the initiation of the development the Framework ... (it's the string of nested structures that's unnatural, but I also marked this down for missing an "of" before "the Framework" and for mistranslating what was decided)

This translator would do well to practice reading with a critical perspective. Either persuade an experienced editor to give feedback, or, as one of the EJ division judges suggested, get someone else to read the translation out loud.

Ken Wagner


In 1954, two British physicians published findings suggesting a causal link between smoking and untimely death. Twelve years later, in 1966, the US Surgeon General required the first warning labels on cigarettes in the United States. Earlier this month, the World Health Organization announced that tobacco use could kill one billion people in the 21st century, up from a scant million in the 20th century. Once viewed as glamorous and even healthy (with claims of relieving stress and promoting good digestion, for example), smoking has been vilified by the medical community as a major health hazard for decades. This has given birth to a well established medical discipline of smoking cessation treatment and a public health campaign against tobacco use waged on national and international fronts. This in turn has spawned its own body of writing with its own unique jargon, an example of which was the passage for the Japanese-English portion of this year’s contest (namely, 「たばこ対策への介入事例とその効果」要約) .

The purpose of the JAT Translation Contest is “to foster, recognize, and reward excellence in commercial, non-literary translation between Japanese and English by new translators.” One method of assessing technical translation, proposed by the American Translators Association, breaks the translation process into three areas: source language comprehension, target language writing, and “translation technique.” (I simply cite the ATA’s approach because I am familiar with it.) The last, translation technique, includes proofreading to ensure the translator has avoided mistakes and research to ensure that the vocabulary and usage are appropriate and, especially in the case of Japanese, to help the translator interpret any vague passages.

The たばこ対策 passage used technical vocabulary sparingly (it had almost a general sound), but did contain some of the key vocabulary of the anti-smoking field. This included the terms smoking cessation, cessation counseling, warning labels, tobacco consumption, rotation (of warning labels), and the proper names of an organization and a publication. In fact, the publication (an agreement, actually), the Framework Convention on Tobacco Control, adopted at a WHO World Health Assembly, was one piece of research material that yielded, in addition to its own proper name, the vocabulary and feel of anti-smoking public health writing. A little more Googling with the vocabulary available in the Framework Convention provides all of the information needed to set the right tone and employ the right vocabulary for the translation.

Monica Farrell (Entry 62) employed all of the field-specific vocabulary cited above, a low number of source comprehension errors, and workmanlike writing to win this year’s contest. Each of the six semi-finalists selected had his or her own strength, and some produced very likable English prose. However, Monica showed the willingness to do the amount of research that I would think would lead to consistently accurate and appropriate translations and serve as a basis for continued growth as a translator.

Sarah Bull (Entry 33) produced perhaps the most readable translation. However, the number of comprehension errors was comparable to that of Monica’s and Sarah took a more neutral approach, not employing some of the key terms of the smoking cessation field.

I, for one, could not see an immediately apparent winner among the six semi-finalists provided to the judges by the JAT screeners. Several readings and careful analysis of the texts were necessary to produce the finalists and the winner. Each contestant showed different strengths, and the judges found it difficult to select a winner. Considerable negotiation was necessary, with each judge presenting arguments for his selection. That serves as evidence of the competitive quality of all of the semifinalists’ translations.

Steven Venti


Good translation is a little bit like pornography: very hard to define but easy to recognize when you see it. This is especially true for commercial translation, which unlike literary translation, is almost always compared side-by-side with the original in evaluating “translation accuracy.” Personally, I think that “translation accuracy” is an ill-conceived and poorly defined concept. For example, how does one quantify translation accuracy? Advertisements for translation software often cite translation accuracy as a percentage, but what does it mean to be “90% accurate” versus “80% accuracy,” and just where is the borderline between “usable” and “unusable” or “acceptable” and “unacceptable?”

While it probably isn’t possible either to fashion an axiomatic definition of or to establish quantitative standards for evaluating translation accuracy, it certainly is possible to list a few of the characteristics that are essential to a professional quality translation.

Perhaps the first thing that need be mentioned is that the translation should contain all the same factual information that the original does. Certainly no translation could be considered accurate or complete if an important piece of information was missing. There are times, however, when certain information explicit in the original need not appear in the translation if the conventions of the target language preclude its inclusion. An example very commonly found in Japanese to English translation might be the inclusion in parenthesis of the acronym for the name of an organization even though the acronym is not used anywhere else in the document. This occurs in this year’s contest text where the World Health Organization is mentioned in the final paragraph. Is there any real need to include WHO in parenthesis there?

The opposite can also be true in cases where information implicit in the original need be explained to the target readers. This year’s text, for example, mentioned a dairoku gakunen, which could be translated as “sixth year of schooling,” but given the diversity of nomenclature in the various school systems found in English speaking countries, I heartily concur with those who rendered this as “6th year of elementary school.”

Clearly, one of the first skills that a successful translator must develop is the ability to recognize what should or shouldn’t be translated.

Another characteristic to consider is whether the translation conveys the necessary information in the same tenor and tone as the original and as appropriate for the target reader. A good example of this from this year’s contest was the word youyaku in the title. Even professional translators will disagree over whether to include a word such as summary or abstract in the title itself, or perhaps to leave it out of the title altogether, and simply make clear in the topic sentence of the opening paragraph that what is being given here is a description of the content rather than a reproduction of the chapter itself.

In fact, one of the most difficult aspects of judging a translation contest is the fact that there is rarely only one “correct” translation. Rather, there are usually a number of possible approaches, and the question of whether a given approach is appropriate for a given problem is one that can only be answered in the context of what the translation is for, who the target reader is, and how much time can be allotted to translating the problematic passage.

One last issue I would like to comment on is the question of how literal a commercial translation should be. Translators who specialize in patents or legal documents, both of which are often subject to word-by-word scrutiny, understand the expediency of producing a commercial translation with a one-to-one correspondence to the original. Such an approach might not produce the most readable translation, but is an effective way to assuage a client’s fears that something is either missing or mistranslated, and in many cases makes it easier for the end-user to use both the original and the translation side-by-side.

This level of linguistic correspondence is in sharp contrast to the more figurative approach taken in commercial translations for publication, especially in documents where the use of idioms as well as hyperbole, parallelism, and other rhetorical techniques make word-by-word translation inappropriate. At this level, evaluating translation accuracy can be far more complicated, sometimes bordering on the subjective.

It may seem strange that “accuracy” can be considered to be something less than completely objective, but when editing for readability or when evaluating word choices, composition, and other stylistic considerations, the question of whether a translation accurately reflects the tenor and tone of the original is one on which even experienced translators can occasionally disagree.

There was much to praise in all of the final entries in this year’s contest, and one problem with a contest is that the need to pick a winner leads to excessive nit-picking of otherwise competent work. All of the finalists showed talent and are to be congratulated for their efforts.

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Materials for Yai's February JAT presentation

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February JAT Meeting: Patent Translation Workshop

The coming JAT meeting will be on February 16th, in which patent translator Yusaku Yai will hold a workshop on patent translation. As usual, we will hold a nijikai at a nearby izakaya from around 17:15.

スピーカ略歴

徳島大学工学部土木工学科卒業 JAT会員
1)自動車部品メーカで社内翻訳者(〔英日〕〔日英〕。書類:契約書、ビジネスレター、手順書、工程管理表、技術文書、株主総会、その他)
6年勤務
2)外国特許出願・権利化支援会社(外国特許出願明細書作成〔日英〕と、中間処理文書作成〔英日〕〔日英〕)
5年勤務
3)国際特許事務所A(化学系特許翻訳〔日英〕)
1年勤務
4)国際特許事務所B(外国特許出願明細書作成〔日英〕と、中間処理文書作成〔英日〕〔日英〕)
3年勤務
翻訳支援ソフト Simply Terms(一括置換フリーウェア)

【講演概要】
文章解釈上の最大の難点とは。
英文特許明細書翻訳者が翻訳する日本語原稿はどのように作成されるか。
英文特許出願明細書は出願後どのように扱われるのか。
特許翻訳の付加価値商品とは。
簡単なワークショップあり。

The next meeting will take place on Saturday, March 15th. We won't hold a Tokyo meeting in April, but hope to see many of you at IJET19 in Okinawa!

Lisa Hew, Kiyoko Sagane, and Helen Iwata
Tokyo Activities Committee (aka "the Angels")

Date: Saturday, February 16, 2008
Time: 14:00 - 17:00
Meeting Place: Forum 8
Address: Dogenzaka 2-10-7, Shibuya, Tokyo
Phone: 03-3780-0008
Cost: Free for JAT members, ¥1000 for non-members


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Video of January Meeting with Andrew Shuttleworth

JAT videographer James Phillips has just posted the video of the January JAT meeting, at which Andrew Shuttleworth shared some tips and tricks for better translator efficiency. Here's a quick summary:

Tens ways for translators to become more efficient. A detailed discussion is given of ways translators can use the Internet to become more efficient. This includes a detailed look at how to promote yourself using the Internet, how to create your own personal brand, how to make the most of the dazzling array of free services now available, and exactly what you should and should not put on the Internet. Mind-mapping, blogging, e-mail synchronizing and a whole host of other subjects are discussed.


Note that this video requires the password posted to the JAT mailing list, which is only available to members.


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Finalists: 4th Annual JAT Contest for New and Aspiring Translators

The finalists for the 4th Annual JAT Contest for New and Aspiring Translators have been announced, for both the Japanese to English and English to Japanese sections.

Much thanks to our hard-working contest organizers and semifinal judges for making this happen.

The final results will be announced (with love) on February 14th, so stay tuned!

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第4回新人翻訳者コンテスト(英日の最終候補作品)


最終候補作品 英日




最終審査に進んだ6作品です(#21, #24, #29, #35, #38, #61)。

応募番号21番

事業の合併・売却価値を下げないために:ダイムラー・クライスラーの失敗から分かること
グレッグ・カルーソ

ダイムラー・ベンツが370億ドルでクライスラーを買収し、対等合併を行うことが報じられたのは1997年の真夏のことだった。それから10年が経とうとしている今、ダイムラー・クライスラーはクライスラー株の80%を売却しようとしており、売却額は74億ドルと報じられている。事業の価値が300億ドルも下がっただけでも明らかな損失であるというのに、買い主であるサーベラスから支払われる74億ドルも全てクライスラー側の取り分となる見込みで、ダイムラーには何の実入りもないようだ。なぜこのようなことが起こったのだろうか? 私たち自身が事業の売却や合併を計画したり、事業の価格を設定する際に、この出来事から得られる教訓とは何だろう?

事業の合併・売却を行う際に重要なのは、売却益ではなく、そのことが事業にもたらす利益である

ダイムラーによる買収が行われた当時、クライスラーは610億ドルという記録的な収益を計上し、純利益は28億ドルであった。収益・利益は共に急速な伸びを示し、消費者の興味をそそる新たな製品ラインは購買層の熱烈な歓迎を受けていた。そこからはじき出された予想キャッシュフローでは、買収額はカバー可能なものと思われた。

一方2007年現在のクライスラーは620億ドルの収益と同時に15億ドルの赤字を出しており、成長は見込めず、現在のキャッシュフローでは資金調達のあてもない。ここで再確認できるのは、キャッシュフローが今も変わらず事業の価値を測る基準となっていることである。事業の価値を高め、なるべく高額で合併・売却を行いたければ、準備期間の間にできる限りキャッシュフローを増やしておくことだ。

売却・合併時のビジネスサイクルの重要性

ダイムラーがクライスラーを買収した当時は、自動車産業全体が何年も連続して記録的な成績を出しており、米三大自動車メーカーはどこも飛ぶような勢いで車が売れている状態だった。製造コストは引き下げられ、クライスラーも低価格車を扱うメーカーとなっていた。

当時と比較すると、過剰設備や差し迫ったレイオフ、高額の医療費や年金負担から来る競争力不足が報じられる現在の自動車産業は弱体化している。もうお分かりだと思うが、産業全体の景気の上り下がりのサイクルも、事業の売却価格に関わって来るのだ。売るなら好景気のうちである。好景気は事業の買い手となる人々に買収のための資金をもたらし、売り手には売却による利益をもたらす。

売りのタイミングー余裕のなさは買い叩かれるもと

クライスラーが売却される可能性があると報じられた段階で、ダイムラーが叩き売りをしようとしているのは誰の目にも明らかだった。買い手からしたら願ってもない状況だが、売り手の立場で交渉の場に臨むならば非常に厳しい状況である。事業が岐路に立たされ、選択の余地がなくなってから売却するのでは遅い。売却や合併に乗り出すタイミングが遅れると、ハゲタカの餌食になるだけである。

合併を目指すなら、自らの事業のコアとなる強みを手放さないこと

ダイムラーがクライスラーを買収した当時、クライスラーには3年かそれ以下のスパンで新車を発表することが可能な新しいデザインセンターが出来上がっていた。クライスラーがスタイリッシュで購買欲をそそる車で勝負することができたのはこのためである。しかし利益を吸い上げることに力を入れたダイムラーは2006年まで3年間新車を発表せず、デザインチームの牽引力を無にしてしまった。人々がクライスラーの車を選んだのは価格が手頃なためで、丈夫で長持ちするからではない。それなのにニューモデルも出さないのでは、一体何を売りにすると言うのだろう?

自社のブランドを守るべし

ブランドとしてのクライスラーの力には異議を唱える人もいるかも知れないが、ジープというブランドの持つ力を本気で疑う人はいないだろう。かつてはジープといえばマルボロマンに並ぶほどのアメリカの伝説であったが、ダイムラーはジープのセールスポイントである“アメリカの荒れ地を駆け抜ける4WD体験”においてハマーに王座を譲ってしまった。ダイムラーがようやくハマーと競合する新車を発表したのは2007年ー折悪しく直後にガソリン価格が急騰した。自社のブランドとそのブランド独自の価値は常に守っておかなくてはならない。

クライスラーはミニバンの産みの親であり、今でも良いミニバンを何種類か製造している。しかしクロスオーバーSUVやSUVとミニバンのミックスといったものが登場した今、どこにクライスラーの競争の余地が残されているだろう? 再び気になるのは、デザインセンターが一体どうなってしまったのかということである。

才能は事業の要、流出させることなかれ

効率重視の名目のもと、ダイムラーはクライスラーがヒットを産み出して来た従来のやり方を継続させようとしなかった。合併は当初は対等合併という触込みだったが、すぐにダイムラーの立場が上であることが明白になった。何と言おうと、ダイムラーは買い手だったということである。しかしそこまでして買った才能を追い出すようなことをして、一体何の意味があるのだろう。事業の売却価格や合併価値を下げたくなかったら、チームの鍵となる人材は常に自分の元に引き留めておくべきである。たとえそのせいで利益の独り占めができなくてもだ。クライスラーが90年代に奇跡の復活を遂げたことから見ても、チームの中にビジョンを持った人間が存在していたのは間違いない。最高の人材を手放したり、ましてや彼らを追いやって自分の競争相手にしてしまうのは致命的な間違いである。

事業の価値についてのまとめ

こうなった今振り返ってみれば、ダイムラーが思いつく限りのミスを犯し、それによって支配下にあったクライスラーの価値を台無しにしてしまったことは間違いない。クライスラーらしさをなくしたクライスラーは、収益性を失ってしまった。デザインの切れ味とスピードを失った時、手頃な車を提供するメーカーというポジションも失ってしまい、鍵となるジープというブランドについても、変化するトレンドに対応しなかったことでその価値のほとんどを失ってしまったのだ。こうしたことに他のミスも積み重なり、記録的な利益を上げていたクライスラーは巨額の赤字を出すようになってしまった。ダイムラーは好景気の時にクライスラーを買い、不景気の時に手放した。さらに付け加えるなら、ダイムラーは売り急ぐあまり十分な交渉の時間すらマーケットに与えなかった。私たちが事業の売却や合併を考える際には、このようなミスを犯すことは避けるべきである。

事業の売却や合併によって最大の利益を手にしたければ、事業の利益が増えているか、ビジネスサイクルがどうなっているか、適切なプロセスを踏んでいるか、以上三点を十分確認すべきである。

応募番号24番

事業合併・売却価値を守れ:ダイムラー・クライスラーの失敗に学ぶ
グレッグ・カルーソ

1997年夏の最中、ダイムラー・ベンツは370億ドルでクライスラーを購入、対等合併を発表した。その後約10年弱たった今、ダイムラー・クライスラーはクライスラー部門の株式80%を74億ドルで売却することを発表。まるで300億ドルという事業価値の損失では足りないかのように、買収先サーベラスにより支払われている購入価格全額は、どうやらダイムラーにではなく、クライスラーに保有される予定だ。これはどのようにして起きたのか、そして民間事業の売却、合併、評価を計画する際の教訓とは何なのか?

事業合併・売却の際は売上高ではなく、営業利益を

ダイムラーがクライスラーを購入した時、クライスラーは610億ドルという記録的な売上高と28億ドルという純利益を打ち出していた。売上高と利益は急激に成長していた。活気に満ちた新製品ラインは市場に熱く受け入れられていた。結果、予想されたキャッシュフローで購入費用がまかなえただろう。

2007年現在、クライスラーの売上高は620億ドル、損失は15億ドルで、成長する計画もなければ資金繰りに当てるキャッシュフローも現在ない。これにより、キャッシュフローが従来から企業における事業価値のベースであるということが今一度証明されている。事業価値と合併売却価格を上げるには、その下準備と売却期間中にキャッシュフローを最大にすること。

売却・合併時のビジネスサイクルの重要性

ダイムラーがクライスラーを購入した時、自動車産業は全体的に記録的な時期にあった。アメリカの自動車メーカー三社の車は飛ぶように売れていた。値段も下がり、クライスラーも安い値段で提供していた。

それに比べ、報道されている過剰な生産能力や今にも起こりそうなレイオフ、医療費や年金負担でなくなった競争力から見える今の業界の弱さとは…。やはり、産業全体のサイクルは事業売却時の価格設定で重要となる。上昇サイクルで売却すること。上昇サイクルは買収候補先に事業を購入するキャッシュをもたらし、事業側へは売却利益をもたらす。

売却期間:必要に迫られてからでは価格は上がらない

クライスラーが売却されるかもしれないという報道が街に流れた時、ダイムラーが大安売りをしているのは明らかだった。買い手にとっては好都合で、売り手は非常に厳しい交渉の立場に立たされた。ビジネスのことが分からない人でさえ「売却しなくてはならない」と分かってしまうまで待たないこと。事業売却や合併プロセスの開始をあまり長く待ち過ぎると、底値を狙った者たちが勝つことになる。

合併を考慮する際は自社の核となる強さを維持すること

ダイムラーがクライスラーを購入した時、新しい設計センターが完成しており、クライスラーは3年以内で市場に車を出すことが出来た。これにより、クライスラーはおしゃれな活気に満ちた車で競争することが出来た。ダイムラーは利益を搾り出そうと、2006年以前の3年間、新車を出すことはなく、このデザインのリーダー的地位を崩壊させた。人々はずっと長持ちするからという理由ではなく、手ごろに買えるスタイルだからという理由でクライスラーを購入していた。では新しいモデルがなくなった時、何が残ったのか?

ブランドを守れ

クライスラーのブランド価値を疑問に思う人はいるかもしれないが、ジープの価値を真剣に疑問に思える人はいない。ジープはアメリカの神秘的な存在、マルボロ・マンにとても近いものがあった。しかし、ダイムラーはジープが称賛されていた「四駆でアメリカの悪道走行といったらジープ」という地位をハマーに明け渡してしまった。2007年、ガソリン価格急騰の最中、ダイムラーはようやくハマーの競合モデルを売り出した。常に自社ブランドとそのブランドの持つ価値を守ること。

クライスラーはミニバンを開発した。クライスラーのミニバンには非常に良いものもまだある。しかし、SUVとミニバンが重なり混在する時代に、クライスラーが参入できる場所はどこだろうか?設計所はまた、どうなったのか?

有能社員を手放すな。有能社員は大切な商売道具である

効率の名のもと、ダイムラーはクライスラーに舞踏会まで続く踊りを踊り続けさせなかった。当初、対等結婚と言われた合併では、対等優位にあるのはダイムラーであるという事はすぐに明らかになった。結局、ダイムラーが買い手だったのだ。しかし、なぜ多額の金額を支払った有能社員を追い出してしまうのか?売却価格や合併価値を最大にしたいのなら、自分の報酬を分けてでも重要な人材は自分のチームに常にキープすること。90年代のクライスラーの死からの復活では、そこにいた誰かが自分たちの行っている事を明確に理解していた。一番の人材を失う、又は最悪、競合に向かせてしまうのは致命的なミスである。

事業価値に関する最終的な考え

今あらためて考えてみると、結果、ダイムラーが子会社クライスラーの価値を崩壊させるありとあらゆる間違いを犯したのは明らかだ。クライスラーはクライスラーであることをやめた為に、採算性を失った。クライスラーは先端を行くデザインと設計のスピードを失った時、手ごろに買えるスタイルという地位を失った。変化する流行について行かなかったことで、クライスラーは主要ジープブランドの価値の多くを失った。こういった、そしてその他いろいろな間違いがクライスラーを記録的利益から巨額の損失へと導いた。ダイムラーは市場の上昇サイクルで購入し、下降サイクルで売却した。最後の侮辱として、ダイムラーは市場で取引が交渉されるのに十分な時間すら許さなかった。民間事業の売却・合併を考慮する際はこういった間違いを避けること。

事業の売却・合併で利益を最大に得るには、自社の利益が増えていて、ビジネスサイクルに乗っており、適切な合併や売却プロセスを踏んでいるよう、確実にすることである。

応募番号29番

事業の統合や売却の価値を守れ~ダイムラー・クライスラーの失敗からの教訓
グレッグ・カルーソー

1997年の夏の盛り、報道によれば対等な事業統合として、ダイムラー・ベンツはクライスラーを370億ドルで買収した。現在、10年も経たない中に、ダイムラー・クライスラーはクライスラーを売却しようとしている。報道によれば、クイスラーの80%を74億ドルで、とのことだ。
300億ドルの事業価値の損失はそれ程大きくないとしても、買収者のサーベラスが支払う購入額の全額は、どうやらダイムラーのものにはならず、クライスラーに割り当てられるようだ。なぜこのようなことが起きたのか、そして私有事業の売却、統合また査定を計画する際にどんな教訓が得られるのか。

事業の統合や売却をする際は、売上高ではなく営業利益

ダイムラーがクライスラーを買収した当時は、クライスラーの収入は記録的な610億ドル、純利益は28億ドルだった。収入と利益は急速に拡大していた。市場は刺激的な新製品群を熱狂的に受け入れていた。結果として見込まれたキャッシュ・フローによって、買収の採算は取れるはずだった。

現在、2007年では、クライスラーの収入は620億ドル、損失は15億ドルだ。成長の見込みはなく、現在、資金調達のためのキャッシュ・フローもない。このことは、キャッシュ・フローが従来型企業の事業価値の基礎であることを再度、証明している。事業価値および事業統合時の売却額を上げるためには、準備段階と売却時期を通じてキャッシュ・フローを最大化しなければならない。

売却や統合の際の事業サイクルの重要性

ダイムラーがクライスラーを買収した当時は、自動車業界全体が記録的な年月を経験していた。アメリカ3大自動車メーカーの車は飛ぶように売れていた。クライスラーが低コストメーカーだというところまでコストは引き下がっていた。

この状況を現在の業界の弱点と比較しなければならない。過剰生産設備、差し迫るレイオフ、そして医療費と退職手当による競争力のなさという報告を伴う弱点だ。そう、業界全体のサイクルが事業売却の際の価格付けにとってまさに重要なのだ。売却は上昇サイクル時にしなければならない。上昇サイクルは潜在的買収者に事業買収の資金をもたらし、そして上昇サイクルは事業に、売却されるための利益をもたらすのだ。

売却時期~死に物狂いになっても価格は上がらない

クライスラー売却の可能性があるという報道が流れた際、ダイムラーが投売りをしていたのは明らかだった。買収側には素晴らしいが、売却側には非常に厳しい交渉の立場だった。「ビジネスに疎い人」でさえ売却しなければならないと分るまで待っていてはいけない。事業売却や統合過程の開始まで長く待ちすぎると、他人の不幸を食い物にする輩が勝ちを収めることになる。

合併を目指す際には、中核である強みを維持せよ

ダイムラーがクライスラーを買収した当時は、新しいデザイン・センターが完成しており、クライスラーは3年以内に車を市場に投入することが可能だった。このセンターによりクライスラーは、格好良く刺激的な車と競合することが可能だった。ダイムラーは利益を引き出すための取り組みとして2006年に先立つ3年間は新車を投入しなかったため、このデザインの牽引役としての立場は失墜してしまった。人々がクライスラー車を購入するのは手頃なスタイルのためであって、ずっと持続するからではなかったのだ。では新モデルがなくなったら何が残ったのか。

ブランドを守れ

クライスラーのブランド価値に疑問を抱く人はいるかもしれないが、本気でジープの価値を疑う人はいない。アメリカの神秘性という意味では、ジープはマルボロマンに非常に近かったのだ。しかしダイムラーはジープの、「アメリカの悪路での4輪駆動体験」と評価された立場をハマーに譲り渡してしまった。ダイムラーは2007年になってようやく、ハマーの競合車を投入した。ガソリン価格急騰の最中に、である。常にブランドとブランド固有の価値を守らなければならない。

クライスラーはミニバンを発明した。クライスラーにはまだ非常に優れたミニバンがいくつかある。だがSUVやミニバンの「クロスオーバー」や混合タイプの盛んな時に、どこにクライスラーの入っていく余地があるのか。またしてもデザインスタジオには何が起ったのか。

人材を維持せよ、人材こそ事業だ

効率性という名のもとに、ダイムラーはクライスラーを舞踏会へと導いたダンスを、クライスラーに踊り続けさせなかった。当初は対等な連合と宣伝された統合で、優位な立場にいるのはダイムラーであることがすぐさま明らかになった。結局、ダイムラーが買収者だったのだ。しかし、なぜ多額を費やした人材を追い払うのか。売却や統合の価値を最大化したいのなら、たとえ報酬を分け合わなければならないとしても、大事な人材は常にチームに留めなければならない。
1990年代にクライスラーが死から再生したことに基づけば、同社には自分達のしていることを明確に理解していた人材がいた。最良の人材を手放したり、さらに悪いことに彼らが競争相手に頼らざるを得なくさせたりすることは、致命的な間違いである。

事業価値についての最終的な考え

後知恵の強みを生かしてみると、ダイムラーが、起しうるほぼあらゆる間違いを犯してきたために子会社クライスラーの価値を失墜させたことは明らかだ。クライスラーが収益性を失ったのは、クライスラーであることを止めたからだ。クライスラーはデザインの優位性とデザインの速さを失ったときに、手頃なスタイルという立場を失った。変化する情勢についていかなかったため、主要なジープ・ブランドの価値を大幅に下げた。これらの、そして他の多くの間違いによって、クライスラーは記録的な利益から巨大な損失に移行した。ダイムラーは上昇サイクルで買収し、下降サイクルで売却した。最後の侮辱だが、ダイムラーは市場に対して取引交渉のための妥当な時間を与えることすらしなかった。私有事業の売却や統合を目指す際は、これらの間違いを犯してはいけない。

事業の売却や統合の際に最大の収益を得るためには、利益が拡大しているか、事業サイクルに合わせているか、そして適切な統合と売却の過程に沿っているか、確認しなければならない。

応募番号35番

売却・合併による企業価値維持のために:ダイムラークライスラー社の失敗に学ぶ

独ダイムラーベンツ社が米クライスラー社を推定370億ドルで対等合併したのは1997年の夏の最中のこと。それから10年も経たない今、同社は推定74億ドルでクライスラー部門の株式80%を売却する考えだ。ダイムラー社は300億ドルにのぼる企業資産の損失を被るばかりか、投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント社への売却額すべてがクライスラーの手に渡ってしまうという最悪の自体に見舞われることになる。ダイムラー社はなぜこのような状況に陥ってしまったのだろうか。この事例から、事業売却・合併または資産評価を行うにあたって注意すべき点を考えてみたい。

売却・合併の際は売上総額よりも営業利益に着目
ダイムラー社がクライスラーを買収した当時、クライスラー社は610億ドルの売上と28億円の純益という記録的な業績を誇っていた。斬新な新型車のラインナップは熱狂的にマーケットに受け入れられ、売上・利益ともに急速な伸びを見せた。好調な業績をふまえたキャッシュフロー試算では、買収にかかった資金は十分回収できるだろうとの見通しだった。
しかし、2007年現在、クライスラー社は売上高620億ドルこそあれ、投資への資金繰りにも窮し今後の成長の見通しも立たたず、結果15億ドルの営業損益赤字に見舞われている。キャッシュフローが本来の企業事業価値の根幹を成すことを今いちど肝に銘じよう。企業価値および事業の合併・売却価格を高めるためには、交渉を始める前および交渉期間中にキャッシュフローを最大限にまで向上させておくことが大切だ。

景気変動を見定める
クライスラーの買収が行われた年は、記録的な好景気に自動車業界全体が沸いた時期でもあった。アメリカの三大自動車メーカー(ゼネラル・モーターズ、フォードモーター、クライスラー)の勢いはすさまじく、特にクライスラーはコスト削減においてもっとも大きな成功を収めた。
対して今日の自動車産業はというと、超過生産、差し迫ったリストラ、福利厚生と退職金にかかるコストなどが影響し、業界は不振にあえいでいる。業界全体の機運が企業売却時の価格算出に大きな影響を与えるのだ。好景気には企業は他事業を買収するだけの資金があるため、被買収企業の利益も高くなる。景気の変動に注意して売却を進めよう。

売却時期の鋭い見極めが利益増大のカギ
クライスラー売却の噂が世間に広まった時、ダイムラー社が破格の安値で同部門を売りに出すことは誰の目にも明らかだった。これは買収先の企業には願ってもないことだが、売却するダイムラー側にとっては苦しい交渉を強いられることになる。「格下企業」にすら売却に賛同されるようになればもう遅い。事業売却や合併の決定を出すのに躊躇しすぎると、条件の悪い相手を買収先として選ばなければならなくなる。

双方の主力分野を残した合併を
クライスラー車が他社のスタイリッシュカーと市場で競合できたのはその高いデザイン性によるところが大きい。クライスラー売却の年に完成した新デザインセンターにより、同社は向こう約3年以内にわたって新型車を発表することが可能だった。しかし一方で買収元ダイムラーは利益を搾り取ろうと必死になるあまり、2006年まで新車を売り出すこともなく、デザインカー分野での先駆者的立場を自ら失ってしまった。消費者はスタイリッシュなデザインに惹かれてクライスラーを選んでいたのであって、車の耐久年数などは重視していない。新車が販売されなければ市場からそっぽを向かれるだけだ。

ブランド価値を守れ
クライスラー自体のブランド価値はともかく、ジープのそれに疑いを持つ人はいない。ジープはかのマルボロマンの車として、古きよきアメリカ神話と密接に結びついているからだ。それにも関わらず、ダイムラーは「オフロード仕様四輪駆動アメリカ車」という、これまでジープが担っていた輝かしい看板をゼネラル・モーターズ社ブランドのハマーに明け渡してしまった。2007年になってようやくダイムラー社はハマーの競合車となる製品を市場に出したが、それは運悪くもガソリン価格の急騰した時期の只中だった。
ミニバンの開発メーカーとして、クライスラーは今も質のいいミニバンをいくつか出している。しかし、SUV とミニバンのクロスオーバーや融合が進む今、差別化を図るためにも前述のデザインスタジオを活用しない手はないはずだ。ブランドネームおよびブランド固有の価値を守り続けることを忘れてはならない。

優秀な人材はそのまま生かす
クライスラーの買収は対等合併という名目上でなされたが、支配権を握っているのはダイムラーだということはすぐに明らかになり、事業の効率化を目指したダイムラー社は、クライスラー部門が抱えた人材の実力を発揮させることなく終わった。しかし、大金をはたいて手にした会社の優秀なブレーンをわざわざ排除する理由がどこにあろう。合併・売却価値を最大限に高めるには、たとえ相手企業との利益分配が条件であったとしても、優れた人材は会社にキープしておくべきである。1990年代の瀕死からの復活を考えれば、間違いなくクライスラー社には能力のある社員がいたはずだ。有能な人材を失うのは企業にとって致命的なミスであり、最悪の場合、競合他社に彼らを引き渡すことにもなりかねない。

おわりに:事業価値維持のために
振り返ってみると、ダイムラー社は考えられる限りのあらゆる間違いを犯し、子会社としてのクライスラーの企業価値を損ねたことがわかる。クライスラーはクライスラーでなくなった時にその収益性を失い、先端的なデザイン性とコンスタントな新型車開発を止めた時に、スタイリッシュカーブランドとしての地位を失った。さらには、変化する市場のトレンドから距離を置いたことで、主力商品のジープがこれまで誇っていたブランド価値をもまた失った。これらを始めとする多くの過ちが、高い収益を記録したクライスラー部門を巨額の損失へと陥れたのである。加えて、ダイムラー社はクライスラー部門を市場の好景気時期に買収し、不況時に売却。極め付けには、同社は売却交渉に十分な時間をかけなかった。私事業の売却や合併を考える際は、このような過ちは避けることだ。
利益率の増加、ビジネスサイクルにそった事業展開、そして適切なプロセスを踏んだ交渉を心がけることにより、事業売却または合併で大きな利益を手にすることが可能になるのである。

応募番号38番

企業の合併・売却価値を守れ:ダイムラー・クライスラー崩壊の教訓
グレッグ・カルソー(著)

1997年の盛夏、ダイムラー・ベンツは370億ドルで、いわゆる対等合併によってクライスラーを買収した。それから10年も経ていない2007年、ダイムラー・クライスラーはクライスラー株の80%を74億ドルで売却しようとしている。企業価値における300億ドルは深刻な損失ではないにしろ、実際は、買収側であるサーベラスが支払う全買収金はクライスラー側に投資され、ダイムラーの手元には残らないことになる。今回の出来事はどの様な経緯をたどったのか、そして、未公開企業の売却または合併、評価を試みる際の教訓は何だろうか。

企業の合併・売却時に重要なのは、売上高ではなく、営業利益

ダイムラーがクライスラーを買収した当時、クライスラーの売上高は記録的な610億ドル、純利益は28億ドルだった。売上高と営業利益は急成長を遂げていたのである。新たな生産品目の積極的な導入を、市場は熱狂をもって受け入れた。結果的に予想されるキャッシュフローがこの買収の埋め合せとなるはずだった。

しかし、2007年の今年、クライスラーの売上高は620億ドル、営業利益は15億ドルの損失であり、増益の見込みも財務活動のための当座のキャッシュフローも持ち合わせていない。このことが改めて示すのは、キャッシュフローが従来型企業の企業価値の基本であるということだ。企業価値を高め合併時の売却価格を上げるには、合併の準備・売却期間にキャッシュフローを最大にすることである。

売却・合併における景気サイクルの重要性

ダイムラーによるクライスラー買収当時、自動車産業全体が記録的な活況を経験していた。米3大自動車メーカーは売りに売った。コストは押し下げられ、クライスラーも低コストでの生産が可能だった。

この状況を今日の産業が抱える脆弱性と比較してみるとよい。過剰生産、待ったなしの一時解雇、そして医療費・退職金費用による競争力の欠如という状況が報告されている。そう、売却に当たり企業の価格を決定する際には、産業全体のサイクルが重要なのである。サイクルの上昇期に売却することだ。サイクルの上昇期には、買収を試みる側は買収のための資金を、一方、売却を試みる企業は売却のための利益を得るのである。

売却のタイミング―不況期に価格上昇は望めない

クライスラー売却の可能性が発表された当時、ダイムラーが処分特売しようとしていることは明らかだった。買収側には朗報だが、このことは、売却側が交渉に際して非常に厳しい立場を強いられることを意味する。「企業が窮地にある」ために売却を強いられる、それまで静観しているようではだめだ。企業売却・合併の手続き開始までの時間を浪費すると、利己的な日和見主義者に得をさせてしまうだろう。

合併を試みるなら、核となる強みを失うな

ダイムラーによるクライスラーの買収当時、新たな設計センターの完成により、クライスラーは3年以内に自動車を市場に投入できる態勢だった。これによりクライスラーは、スタイリッシュで刺激的な自動車に太刀打ちできた。しかしながら、ダイムラーは利益を捻出しようとし、2006年までの3年間、新車を投入しなかった。それにより、設計における主導的地位を台無しにしてしまったのである。消費者は永遠の耐久性ではなく、手頃なスタイルに魅かれてクライスラー製品を購入していたのである。そうならば、新たなモデルがない状況で、残された強みは何もないであろう。

ブランドを守れ

クライスラーのブランド価値に疑問を呈する者はいるかも知れないが、ジープの価値に本気で異議を唱えられる者はいないだろう。ジープはアメリカ的神話におけるマルボロマンのような存在なのである。しかしダイムラーは、「アメリカの荒野で培った4輪駆動車の実績」というジープに寄せられていた讃辞を、ハマーに譲り渡してしまった。2007年になってようやく、ダイムラーはハマーの競合車を投入した。ガソリン価格が高騰に向かうその時に。ブランドとそれに付随する価値は常に守らなくてはいけないのである。

ミニバンを考案したのはクライスラーであり、クライスラーのミニバンには非常に高性能なものがいまだにある。しかし、「クロスオーバー車」、つまりSUV(スポーツ用多目的車)とミニバンの混合型がもてはやされる今日、クライスラーが市場に参入できる余地はないであろう。繰り返すが、設計部門に何が起きたのか。

人材をつなぎ留めろ、人材が企業である

効率という名のもとに、ダイムラーは、クライスラーが魅力的に映っていたときのやり方を続けさせてはくれなかった。対等結婚と当初称された合併も、ダイムラーが傲慢な配偶者であることが間もなく露見した。結局、ダイムラーは買収者だったのである。しかし何ゆえ大きな対価を払って得た人材を流出させてしまうのだろうか。報酬の一部を分け合わなくてはならないにせよ、売却・合併の価値を最大限にしたいのなら、中核的な人材をチーム内につなぎ留めなくてはならないのだ。1990年代の瀕死の状態からのクライスラーの復活劇を基に、当時の状況を明確に把握している者たちがクライスラー内にはいた。最良の人材を失うのは致命的な誤りであるし、さらに悪いことは、競合相手への転身をそうした人材に強いることである。

企業価値についてのまとめ

結果論になるが、ダイムラーは思いつくほとんど全ての誤りを犯し、それによりクライスラーの価値を棄損した。クライスラーはクライスラーであることを止めたために、収益力を失った。設計における優位性と即応性を失ったときに、クライスラーは手頃なスタイルという地位を失った。移ろいゆくトレンドを追求しなかったために、核となるジープのブランド価値を大幅に失った。これら、その他の多くの誤りを犯し、クライスラーは記録的な収益を得ていた状況から莫大な損失を被るところまで失墜したのだ。ダイムラーは市場サイクルの上昇局面で買収し、下降局面で売却した。最後の痛手は、ダイムラーが取引交渉のための妥当な時間を市場で確保しなかったことである。私企業の売却・合併を考えるときは、こうした過ちを回避しなければならない。

企業の売却・合併により最大の利益を上げるためには、以下のことを確認せよ。営業利益が増加していること、景気サイクルに順応していること、そして適切な合併・売却手続きを踏むこと。

応募番号61番

「あなたの事業の合併および売却価値を守る
~ダイムラー・クライスラーの失敗から得る教訓~」
グレッグ・カルーソ

1997年の盛夏、ダイムラー・ベンツは、「対等合併」と称して、クライスラーを370億ドルで買収した。それから10年も経たずして、ダイムラー・クライスラーは現在、クライスラーの80%を74億ドルで売却しようとしている。300億ドルという事業価値の損失もさることながら、それだけはなく、買収者であるサーベラスの買収資金は、全額がクライスラーへと投じられ、ダイムラーには回らないと見られている。なぜこのような状況に繋がったのか。また、あなたが、自分の事業の売却・合併・査定を考える際、この事例から何を教訓として学ぶことができるだろうか。

事業の合併および売却の際、重要なのは売上高ではなく営業利益

ダイムラーがクライスラーを買収した時期は、クライスラーが売上高610億ドル・純利益28億ドルという記録的な数字を達成していた時期だった。収入・収益は急成長し、また、市場もクライスラーの魅力的な製品ラインを盛んに歓迎した。そして、その結果として生じたキャッシュフローにより、買収資金の回収ができると見込まれていた。

2007年現在、クライスラーの売上高は620億ドル、損失は15億ドルであり、増収増益の目処はつかず、財務活動によるキャッシュフローもない。このことからも、キャッシュフローが、従来の企業の事業価値の基盤であることがわかる。事業価値と、事業合併の際の自らの売却額を高めるためには、準備段階と売却期間中に、キャッシュフローを最大限に引き上げることが望ましい。

売却・合併におけるビジネスサイクルの重要性

ダイムラーがクライスラーを買収した時期は、自動車業界全体にとっても記録的な時期で、アメリカの自動車メーカー3社の車は飛ぶように売れていた。また、低コスト化が実現し、クライスラーも低価格で製品を提供するようになっていた。

この状況と、過剰整備・リストラ・医療や退職費用負担よる競争力の減退、などのニュースが相次ぐ現在の脆弱な自動車業界とを比較してみよう。そう、売却時の事業価値は、業界の全体的なサイクルによって左右される。サイクルの上昇期に売却するようにすることだ。上昇期には、買収側の候補たちにも買収資金があり、あなたの事業も売却により利益を創出することが可能だ。

売却期間 - あせっても額は上がらない

クライスラーの売却可能性が公になったとき、ダイムラーがクライスラーをたたき売りしようとしていることは明白だった。これは買収者には絶好の機会であるものの、売却する側は、交渉の際、非常に弱い立場に追い込まれてしまう。経営の分野の素人からみても、「これはもう売却するしかない」、と判断できる段階まで行動を起こさないのは賢明ではない。事業の売却や合併を開始する前に時間を置きすぎてしまうと、付け込まれてしまうからだ。

買収を目指すなら、自分の事業の強みを維持する

ダイムラーがクライスラーを買収した際、クライスラーが3年未満で市場に新車を投入できるように、新しいデザイン拠点がすでに完成していた。これにより、クライスラーはスタイリッシュで、魅力的な車と競合することが可能になった。しかし、ダイムラーは巨額の利益を引き出すために、2006年までの3年間、新車を発売せず、デザインにおける優位性を台無しにしてしまった。人々が、クライスラー車を購入したのは、手頃な車であったからで、いつまでも変わらない車ではなかったからだ。新車を販売しないことに何の意味があったのだろうか?

自分の事業のブランドを守る

クライスラーのブランド価値を疑問視する人はいても、ジープの価値に疑いを持つ人はいない。ジープは、アメリカのアイコン的存在である「マルボロ・マン」を彷彿とさせる。しかし、ダイムラーは、「オフロード走破性を誇る、米国製4WD」としての座を、ハマーに譲ってしまった。ダイムラーが、ハマーを競合としてようやく意識し始めたのは、折しもガソリンの価格が高騰している2007年になってからのことであった。常に自分の事業のブランドと、ブランドが包含する価値を守らなければならない。

ミニバンのルーツはクライスラーにあり、現在でも、クライスラーは現在も魅力あるミニバンを販売している。しかし、SUVとミニバンを融合させた「クロスオーバー車」の時代、クライスラーはどのような立ち位置にいたのだろうか。また、先ほどのデザイン拠点はどうなったのだろうか。

企業の核となる人材を大切に

ダイムラーは、効率化を図るという名目で、クライスラーの成功が続くことを許さなかった。元を正せば、平等な立場での統合といわれていた今回の合併で、ダイムラーが事実上の主導権を握っていたことはすぐに明確になった。結局、ダイムラーは買収者だったのだ。しかし、巨額を支払い、手に入れた人材をなぜお払い箱にしてしまったのだろうか。もし、自社の売上高や合併価値を最大にしたいのであれば、たとえ利益を配分しなければならないとしても、人材は大切にすることである。1990年代のクライスラーの経営破綻からの再建を踏まえると、当時の経営陣は確かな判断を下していたようだ。有能な人材を失うのは致命的な過ちだが、その人材が競合他社へ流出してしまうことは、それを上回る過ちとなる。

総論:事業価値について

結果論かもしれないが、ダイムラーはクライスラーの価値を失墜させる間違いをことごとく重ねたのは明白だ。クライスラーの採算が取れなくなったのは、クライスラーがクライスラーらしさを失ってしまったからである。クライスラーは、デザインにおける強みや素早さを失ったと同時に、お手頃な車という座も失ってしまったのです。また、市場の動向に順応しなかったことで、主力であるジープ製品の価値もひどく傷付けてしまった。その他多くの要因も相まって、クライスラーは記録的な収益から大損失へと転落した。ダイムラーはサイクルの最盛期にクライスラーを買収し、低迷期に売却したのである。極めつけは、売却交渉の際、充分な時間さえも確保しなかった。事業の売却や合併の際、このような間違いは避けなければならない。

事業の売却や合併の際に、最大の利益を得るためには、「事業が増益を達成しているか」、そして、「ビジネスサイクルに沿って適切な合併および売却過程を踏んでいるか」という点を念頭に置くことである。

記事全文

第4回新人翻訳者コンテスト(日英の最終候補作品)


最終候補作品 日英




最終審査に進んだ6作品です(#33, #39, #52, #53, #62, #64)。

応募番号33番

Chapter 3
Examples of anti-smoking measures and their effects
(Summary)

Chapter 3 discusses warning labels, anti-smoking advertising campaigns, the relationship between price and consumption, support and guidance in quitting smoking, health education, and the anti-smoking measures being taken by international organizations.

Currently, countries throughout the world are educating people about the effects of smoking on health and using legislation to regulate smoking in a variety of ways, and research into the effectiveness of these methods is being conducted. For example, a report from Australia has found that immediately after warning labels are introduced people remember their contents, but that the percentage of people who still remember the contents after a month decreases, and a U.S. report claims that changing the contents of the labels without changing the style is ineffective. In Canada and Australia various methods have been used in recent years, such as displaying photographs on the warning labels of tobacco products for visual effect and requiring that labels containing different messages, of different shapes and sizes are displayed after one another.

Reports regarding the effect of prices increases on tobacco consumption claim that when price hikes for tobacco products exceed the rates of increase for other products and for wages, the result is a decrease in consumption; particularly among under-age smokers and people in low-income groups.

Numerous studies and reports are being conducted into the effects of the many intervention efforts being made into the habits of smokers in various countries in order to help people quit smoking. Provision of guidance by medical professionals has been discovered to result in significantly higher numbers of smokers quitting, compared to cases where medical professionals are not involved in providing guidance. Further, the effectiveness of the guidance is enhanced even further when conducted by several people.

In Japan too, educational measures to prevent people taking up smoking are being implemented. These efforts are not only focused on providing information about the effects of smoking on health. Since the 1990s they have also included programs that concentrate on noticing the social factors that trigger smoking in young people and providing the skills to deal with their effects. In addition, the new curriculum guidelines to be fully implemented from the 2002 school year clearly state that education to prevent people from starting smoking be conducted in the sixth year of elementary school.

As shown by the above examples, various anti-smoking measures are currently in use in countries throughout the world. However, in view of the inequity between countries regarding the resources necessary for such counter-measures and in order to expand economic activity beyond the borders of multinational corporations, the World Health Organization (WHO) resolved to prepare the “Framework Convention on Tobacco Control” at the 1996 World Health Conference and negotiations between governments are now underway with the aim of adopting the framework in May 2003.

応募番号39番

Chapter 3

Intervention Strategies for Tobacco Control and the Effects Thereof

Abstract:

Chapter 3, in reference to tobacco control, discusses the administration of warning labels, advertising campaigns against tobacco smoking, pricing and consumption, assistance programs for quitting, health education, and the involvement of international organizations.

Currently, countries outside Japan are taking various initiatives to educate people about the health risks of tobacco smoking and to institute regulations for tobacco control. Studies are also being conducted to determine their effectiveness. A report from Australia shows awareness among people regarding the content of warning labels is highest directly following implementation but decreases after one month. Another report from the United States demonstrates that changing the text in warning label alone is ineffective and must be accompanied with a change in format. Canada and Australia have recently adopted a method to visually appeal to consumers by using graphic warning labels along with other approaches such as mandating the size and order in which multiple messages are phrased.

Another study shows the correlation between increases in price and its affect on consumption. Raising the price of tobacco products exceeding the rate of inflation and growth in average income leads to a decrease in tobacco consumption, particularly among minors and lower income groups.

As an intervention strategy to help quit smoking, other countries engage in assistance programs promoting non-smoking, along with research projects confirming their effectiveness. In comparison with no intervention, a report suggests that programs assisted by healthcare professionals help reduce the amount of smoking significantly and programs incorporating the support from multiple resources further increase their effectiveness.

In Japan, we are pursuing educational outreach to prevent smoking, not only by providing information concerning the health risks of smoking, but by promoting awareness of social factors that contribute to the initial adoption of the smoking habit among young people. In the 1990’s, we introduced programs focusing on developing skills to counteract the pressure from such social factors. The new curriculum guideline, which is to take effect in Heisei 14 (2002), requires education on smoking prevention for six grade students.

The above examples show intervention efforts across borders for tobacco control. However, issues of broadening international economic activities by multinational corporations and disparities among national administrative resources need to be addressed. Recognizing the need for multinational effort, the World Health Organization passed a resolution for initiating a Framework Convention on Tobacco Control (FCTC) at the World Health Assembly in 1996. Currently, intergovernmental negotiations are in progress to prepare for prospective adoption of FCTC resolution in May of 2003.

応募番号52番

Chapter 3 Outline: "Case Studies of Anti-Smoking Intervention Measures and their Effectiveness"

Chapter 3 discusses warning labels, anti-smoking advertising campaigns, the effect of cost on consumption, smoking cessation counseling and support, health education, and initiatives by international organizations and such.

Currently there are various approaches being taken in different countries with respect to legal regulations and education about the effects of smoking on health and there is a wide range of research being conducted into the effectiveness of these approaches. For example, Australia has reported that people remember the content of warning labels immediately after they are introduced, but the rate of retention drops one month after their introduction, and the US has reported that if the form of the warning label is not changed, changing the content alone is ineffective. Also, in recent years Canada and Australia have implemented measures such as the use of photographs on warning labels to increase their visual impact, and additionally have started requiring that tobacco companies make their warning labels a certain size or display multiple, different messages in sequence.

Meanwhile, it has been reported that when the price of cigarettes rises faster than the rates of inflation and income, cigarette consumption declines and this correlation is particularly strong for minors and low-wage earners.

Furthermore, smoking cessation counseling is being actively conducted in various countries as a means of intervening in the habits of smokers, and there is a large amount of research and reporting being done. According to healthcare providers and others, smoking cessation counseling results in a significant increase in the non-smoking rate when compared to cases where it is not employed, and moreover it is reported that the effectiveness of this method increases further when the counseling is conducted by multiple counselors.

In Japan too, education initiatives for the prevention of smoking are progressing, and these initiatives do not merely provide information about the effects of smoking on health. Rather, programs which make young people aware of the existence of the social factors related to smoking initiation and which focus on helping them to form the skills necessary for dealing with those factors, started to make an appearance in the 1990s. Also, since the full implementation of the new educational guidelines in 2002, it is specifically required that smoking prevention education be given in grade 6.

Anti-smoking measures are currently being carried out in various forms in different countries as described above, but at the 1996 World Health Assembly the World Health Organization (WHO), reflecting the expanding cross-border economic activities of multinational companies and the inequality among countries of the necessary resources for anti-smoking measures, voted to begin preparations for the drawing up of the "Framework Convention on Tobacco Control". Preparations are progressing with a target adoption date of May 2003, and intergovernmental negotiations are currently underway.

応募番号53番

Chapter 3- Examples and Effects of Strategies to Curb Smoking—summary

This chapter looks at health warnings, anti-smoking advertisement campaigns, the relationship between pricing and consumption, anti-smoking guidance and support, health education, and the anti-smoking efforts of international organizations.

Different countries have through various methods engaged in educating their populations on the health consequences of smoking, and have imposed various legal restrictions in regard to tobacco usage, the results of which have been the focus much study. For instance, one report from Australia, which looked at health warnings, found that the contents of those warnings are remembered immediately after they are first introduced but not so much one month later. Meanwhile, another report, this time from the US, suggests that changing the contents of health warnings has no effect if the format of those warnings stays the same. In Canada and Australia, warnings in form of photographs and other such visually impacting methods have been used in recent years. Another device has been to enforce a requirement that numerous warning messages of varying size be arranged on each packet.

There are also reports to suggest a linkage between the price of tobacco and its consumption—smoking goes down when the price of tobacco rises faster than the cost of living and people's incomes. This is particularly the case for those underage and those on low incomes.

In many countries there are widespread moves towards antismoking advice that direct targets the habits of smokers. This too has spawned many studies and reports. It is found that the rate of smokers quitting the habit increases significantly when health professionals instruct the public to do so compared to when such guidance is absent. Furthermore, it is reported that such instructions are even more effective when coming from numerous sources.

Japan has also seen moves to combat smoking through education. In the 1990s, a program emerged which not only provided information concerning the health consequences of smoking, but was also attentive to the social factors underlying young people taking up smoking. A focus was then put on fostering the necessary skills to deal with those influences. Also, in the now fully implemented New Course of Learning issued by the Japanese Ministry of Education in 2002, there is an explicit directive for the provision of anti-smoking education to 6th grade elementary school children.

In this way, various strategies for tackling smoking have been employed by different countries. However, in reaction to the global economic reach of multi-national corporations and the imbalance between states in their ability to come up with the resources needed to mount anti-smoking campaigns, the World Health Organization (WHO), at the 1996 World Health Assembly, made a decision to formulate an International Framework Convention for Tobacco Control. The prospects for its adoption by May, 2003 are well under way, with ongoing negotiations between governments.

応募番号62番

Chapter 3: Examples of Intervention in Tobacco Control and their Effectiveness – Abstract

In Chapter Three, we discuss warning labels, anti-tobacco advertising campaigns, price and consumption, smoking cessation counseling and support, health education, and the efforts of international and other organizations.

Currently, education on the health effects of smoking and tobacco control via legislation are being carried out in a variety of forms abroad, and a variety of research into the results of those efforts is also underway. For example, a report from Australia shows that the content of warning labels could be recalled in the period immediately following their implementation, however, one month after implementation the recollection rate declined. Another report from the United States shows that unless the format of warning labels changes, it is ineffective to change only the content of the warnings. Moreover, in Australia and Canada various approaches have been taken towards warning labels on tobacco products in recent years: in addition to employing visually evocative methods such as using photographs or other images on warning labels, requirements have also been set regarding the amount of surface area to be covered by the labels, as well as requiring that different warning messages are shown on a rotational basis.

Additionally, with regard to the effect of tobacco price hikes on tobacco consumption, reports indicate that tobacco consumption declines when the rise of the price of tobacco exceeds the rate of inflation as well as the income increase rate. This decline is especially connected to inhibiting tobacco consumption among minors and people in lower income brackets, according to reports.

Cessation counseling for smokers is also a thriving method of smoking intervention in foreign countries. A great deal of research is being done on this topic, and a number of reports have been released. One report shows that the rate of smoking cessation dramatically increases when the cessation counseling is done by healthcare professionals as compared to when a health professional is not present; when multiple practitioners are involved counseling produces even higher results.

Health education to prevent smoking has been making progress in Japan as well. These efforts are not limited to merely providing knowledge on the health effects of smoking; efforts are also being made to raise awareness among minors of the existence of societal factors related to taking up smoking at a young age. Programs focused on fostering the essential skills to cope with the influence of these societal factors have been available since the 1990s. In addition, it is clearly specified that education to prevent smoking must be provided in the sixth year of schooling, according to the new Courses of Study that will be implemented as the standards for educational courses in all elementary and secondary schools in 2002.

As such, tobacco control activities are currently taking place in many different forms in each country, however, in light of factors such as the international spread of the economic activities of multinational corporations, as well as the disparity among nations in the resources required for tobacco control activities, the World Health Organization (WHO) voted to develop a Framework Convention on Tobacco Control (FCTC) at the 1996 World Health Assembly. Preparations are underway with the goal of adoption of the WHO FCTC in May 2003, and intergovernmental negotiations are currently in progress.

応募番号64番

Section 3. Examples of Tobacco Control Interventions and their Effects (Summary)

Section 3 discusses warning labels, anti-smoking ad campaigns, prices and consumption, smoking cessation guidance and support, health education, and initiatives by international organizations.

Outside of Japan, tobacco control is being carried out in various forms through the use of laws and education about smoking’s effects on health, and various studies are being conducted on their effectiveness. According to an Australian report, consumers could recall the contents of a warning label immediately after its introduction, but one month after the introduction that percentage dropped. If the appearance of a warning label remains unchanged, changing the contents will have no effect, according to an American report. Also, in recent years, in addition to attracting the eyes through the use of pictures, an obligation to use certain label sizes and cycle through differing messages are among techniques used in warning labels on tobacco products in Canada and Australia.

Meanwhile, reports show that regarding the effect of raising prices on tobacco consumption, when the rise of tobacco prices exceeds the growth of income and the inflation rate, tobacco consumption decreases. This is particularly relevant to the control of tobacco consumption among minors and the low income class.

Also, smoking cessation guidance is actively being practiced outside of Japan through the use of intervention against the smoking habits of smokers, and much research is being done on the subject. According to reports, when smoking cessation guidance is given by a health care provider, smoking cessation rates are significantly higher than when guidance is not given, and furthermore, when the smoking cessation guidance is given by more than one guide, there is a further increase in guidance effectiveness.

In Japan as well, the anti-smoking education initiative continues to progress, and rather than simply providing information about the health effects of smoking, programs that introduce social factors related to starting smoking at an early age and focus on developing the skills necessary to deal with those influences started appearing in the 1990’s. Also, the new course of study fully implemented since the 2002 fiscal year stipulate that anti-smoking education be taught in the 6th grade.

In this way, various forms of tobacco control have come to be carried out in many countries. In consideration of the spread of multinational corporations’ cross-border economic activity and the imbalance between countries of resources necessary to address tobacco control, the World Health Organization (WHO) decided to request the initiation of the development the Framework Convention of Tobacco Control at the 1996 World Health Assembly. The preparation for its prospective adoption in May of 2003 continues and governmental talks are currently being held.

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January JAT meeting: Fun and Useful Productivity Tips and Tools

The coming JAT meeting will be on January 26th, in which self-proclaimed Internet and software geek Andrew Shuttleworth will be sharing some productivity tips and tools. His presentation will cover how to benefit from mobile productivity by using smart phones and other tools such as mind mapping, to-do lists, Google Apps, as well as blogging and social networking services. The meeting will be followed a Nijikai. See the following for details.

Helen, Lisa, and Kiyoko
JAT Tokyo Activities Committee (aka, the Angels)

Date: Saturday, January 26, 2008
Time: 14:00 - 17:00
Meeting Place: Forum 8
Address: Dogenzaka 2-10-7, Shibuya, Tokyo
Phone: 03-3780-0008
Cost: Free for JAT members, ¥1000 for non-members


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Taxation for translators: An overview for the JAT community

At JAT, we have compiled the answers to the often-raised questions among translators who live outside Japan and work for Japan-based clients:

Are Japan-based clients supposed to deduct tax from payments for translation work? If so, are there ways to avoid such withholding taxes?


On November 10, 2007, we had JAT’s tax accountant, Mr. Masaru Sato, give a talk on this very subject. In addition, we had Mr. Sato prepare a document explaining the tax mechanism for us, complete with links to necessary forms. For some remaining questions raised by JAT members, we asked Mr. Sadao Kanezaki, one of the authors of “Doing Business in Japan,” also a tax accountant, to provide us with a second opinion on this topic.

JAT members may listen to the audio recording of Mr. Sato’s talk (zipped mp3 file), and get a recapitulation of the Q&A at the session (pdf file), as well as documents prepared for JAT by tax accountants Mr. Masaru Sato and Mr. Sadao Kanezaki. Note that both of these files are for members only, and can be unlocked using the password posted to the JAT list on December 20, 2007.

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Video of December Meeting with Juliet Carpenter

As part of our effort to allow all JAT members to enjoy membership perks once privy only to those of us in Tokyo, we are kicking off an effort to broadcast all of our monthly meetings, over the web. Note that these videos require the password posted to the JAT mailing list, which is only available to members.

Says JATter James Phillips (who has been kind enough to take care of the recording and editing):


We are pleased to announce that a video of the presentation given by Juliet Carpenter, a well-known translator of books and literature, to the JAT members on Saturday December 8th, 2007 is now online. Enjoy Juliet giving an account of the trials and tribulations involved in being a literary translator.

A wide array of tricky translation tasks are covered, from how to describe emotions felt when listening to music, how to describe how somebody has been murdered, and even how to deal with whether or not to use the "F" word (gasp!). This was a fascinating presentation that will be of particular interest to those involved in the field of literary translation but can still be enjoyed by anybody with an interest in the translation business. The video is split into two halves, with the first half lasting just over an hour and the second half lasting approximately forty minutes. Enjoy!



Part 1: JAT December Presentation Juliet Carpenter from James Phillips on Vimeo.


Part 2: JAT December Meeting Juliet Carpenter from James Phillips on Vimeo.

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Juliet Carpenter - December 8th, 2008

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Write-up of September JAT meeting: Email and Business Etiquette

Dan Castellano has graciously provided materials from his presentation at the September JAT meeting, about email and business etiquette. You can view them inline here, or download them in PDF format.

Japanese Business Etiquette (download)


Japanese Business Email (download)

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December JAT meeting: Literary Translation with Juliet Carpenter

The coming JAT meeting will be on December 8th. Ms. Juliet Carpenter will talk about literary translation. The meeting will be followed by Bonenkai and Nijikai. See the following for details.

Please RSVP to [email protected] by Friday, November 30 to benefit from a discounted Bonenkai price (applicable to JAT members only), if not by Wednesday, December 5.

Helen, Lisa, and Kiyoko
JAT Tokyo Activities Committee (aka, the Angels)

Meeting
Literary Translation with Juliet Carpenter
Place: Ristorante Della Collina (http://www.ristorante-della-collina.com)
Time: 14:00
Phone: 03-3714-8855

Bonenkai
Place: Ristorante Della Collina (same as above)
Time: 16:30 - 18:30
Cost [RSVP by November 30]: members 5,000 yen; non-members 6,000 yen
Cost [RSVP on December 1 or after]: members 6,000 yen; non-members 6,000 yen
All you can drink
RSVP To [email protected]

Nijikai
Place: 17-ban (http://www.17-ban.com)
Time: 19:00 - 21:00
Phone: 03-3711-5080
RSVP To [email protected]

Sanjikai
Place: 18-ban (http://www.18-ban.com)
Time: 21:00 - ?
Phone: 03-3794-1894


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